マイケル・ブレッカーとは縁がなかった。なので、この記事も当時は読み飛ばしていたと思う。数年前にブレッカーのラスト・アルバム『聖地への旅』を購入したが、感じる部分は少なかった。縁というか波長なのかもしれない。
スイングジャーナル 2007年5月号
久しぶりに古いスイングジャーナルを取り出し、10年ほど前のジャズの状況を確認した。読み返したくなる記事はなし。新譜アルバムの欄を眺めても目に留まるものがほとんどない。
そして、「ジャズ喫茶のつくり方教えます」などという特集記事をよくも作ったものだ。今でも地道にやっているジャズ喫茶は全国にあるのに。こんなバカげた記事を出してしまい、読者を少なくとも一割は減らしたのではないだろうか。スイングジャーナルが、転げ落ちるきっかけとなった2007年5月号である。
スイングジャーナル 2007年4月号
山下洋輔が師と仰ぐセシル・テイラーとのデュオ・コンサートの記事。もう10年前の出来事である。当時、瞬間的に聴きたいと思ったことを覚えている。だが、思い留まった。極めて近い流儀のピアニストのデュオを聴いて何になるんだろうかと。
ジャズという音楽は、違う流儀の闘いとも言える。ヨースケにとっては念願のデュオ・コンサートだったのだろう。だが、見方を変えれば学芸会。互いに武器は持っていても、押して引いての演技にしかならないのだ。ということは、人に聴かせるジャズではない。