Baby Face Willette / Stop And Listen

所有するベイビー・フェイス・ウィレットのアルバムは、この1枚だけ。オルガンジャズが性に合わない訳ではないが、彼のアルバムはこれで十分。そもそも、4枚しかリーダーアルバムを出していない。オルガン、ギター、ドラムというトリオ構成。ギターはグランド・グリーン。ここがポイント。ベン・ディクソンをドラムに迎えて、同じ構成でグリーン名義のGrant's First Standを4ヶ月前の1961年1月に録音している。どちらもブルーノート。ブルーノートとしては、グリーンを世に送り、次はウィレットという作戦だったのだろう。ならば、もう少しジャケットに予算を注ぎ込むべきだった。

ライナーノーツで原田和典氏が指摘しているように、6曲目のウィレット作Soul Walkはベニー・ゴルソン作でジャズ・メッセンジャーズの当り曲Blues Marchに酷似。ここまでそっくりさんを演じられては、逆に爽快な気分になってくるのではないか、と原田氏は述べている。そうかもしれないが、プロデューサーのAlfred Lion(アルフレッド・ライオン)が、なぜに許可したのかと不思議に思うのだ。メッセンジャーズはアルバムMoanin'でBlues Marchを1958年10月に録音していて、こちらもプロデューサーはライオンなのである。

1. Willow Weep For Me
2. Chances Are Few
3. Jumpin' Jupiter
4. Stop And Listen
5. At Last
6. Soul Walk
7. Work Song

Baby Face Willette - organ
Grant Green - guitar
Ben Dixon - drums

Recorded on May 22, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Bill Evans / The Paris Concert Edition Two

1979年11月26日のパリでのライブアルバムは、Edition OneとEdition Twoに分けられてリリース。この2枚を続けて聴くと、全体的に非常に平坦で、単に音が流れ過ぎて行き緊張感がない。

唯一の山場と言えば、17分を超えるラスト曲のNardisぐらいだ。エバンスが何度も演奏してきたマイルスの作品で、いまやスタンダード、そして名曲と言える。そんな曲にドラムソロが入り、大はしゃぎして曲想を台無しにしているのだ。このライブから約1年後の80年9月15日にエバンスは他界。最後までピアノトリオにこだわったエバンス。だが、トリオでの遺した名演は決して多くない。

1. Re: Person I Knew
2. Gary's Theme
3. Letter To Evan
4. 34 Skidoo
5. Laurie
6. Nardis

Bill Evans - piano
Marc Johnson - bass (except track 3)
Joe LaBarbera - drums (except track 3)

Recorded on November 26, 1979 at L'Espace Cardin, Paris.

Bill Evans / The Paris Concert Edition One

ベースのマーク・ジョンソン、ドラムのジョー・ラバーバラによるビル・エバンスの最後のトリオ。1979年11月のパリでのこのライブ演奏から約1年後、80年9月15日にエバンスは他界した。しかし、死の直前までライブ演奏を行っていたので、本作から死のイメージは一切なく、むしろ力強ささえ感じる。エバンスは観客の前で演奏できることが喜びだったのだろう。

問題はベースとドラムで、自分たちの力量をみせようとして張り切り過ぎ。特に8曲目のBeautiful Loveにおけるドラムソロは、うるさくて仕方ない。そんなことはエバンスも分かっていたようで、6曲目と7曲目はドラム抜きである。本作がライブの曲順どおりに収録されているならば、ドラマーはじっと待たされていたことになる。だからこそ、8曲目でうっぷんを晴らしたかったのだろうか。いずれにしても、トリオでのインタープレイを味わうアルバムではない。むしろ、観客から割れんばかりの拍手が起きるのが、妙に不自然。ちなみに、本作はエバンスの死後、83年にリリース。

1. I Do It For Your Love
2. Quiet Now
3. Noelle's Theme
4. My Romance
5. I Loves You Porgy
6. Up With The Lark
7. All Mine (Minha)
8. Beautiful Love
9. Excerpts Of A Conversation Between Bill And Harry Evans

Bill Evans - piano
Marc Johnson - bass (except track 3)
Joe LaBarbera - drums (except track 3,6,7)

Recorded on November 26, 1979 at L'Espace Cardin, Paris.