Branford Marsalis / Eternal

後藤雅洋氏の著書『一生モノのジャズ名盤500』で取り上げられたブランフォード・マルサリスのアルバム。後藤氏は、「同じ兄弟でもブランフォードはウィントンと違い、音に情感を込めることをためらわない」と評している。その通りで一曲目は艶歌だ。アルバム全てを聴き終わっても、やっぱり艶歌。4人で艶歌をやっている。所有する輸入盤CDに解説などは一切ないが、ジャケット裏面に This album is in memory of Malachi Favors, Elvin Jones, Steve Lacy, Ray Charles, ... and Grace, my childhood friend. の一文があった。

この4人は2004年に没している。括弧内は命日。マラカイ・フェイヴァース(1月30日)、エルビン・ジョーンズ(5月18日)、スティーヴ・レイシー(6月4日)、レイ・チャールズ(6月10日)。本作の録音は2003年10月で、リリースは2004年9月4日。結果的に4人を追悼するアルバムになった訳である。タイトル曲をEternal(永遠)としたのは、リリース前なのだろう。

1. The Ruby And The Pearl
2. Reika's Loss
3. Gloomy Sunday
4. The Lonely Swan
5. Dinner For One Please, James
6. Muldoon
7. Eternal

Branford Marsalis - saxophones
Joey Calderazzo - piano
Eric Revis - bass
Jeff "Tain" Watts - drums

Recorded on October 7, 8, 9 & 10, 2003 at Tarrytown Music Hall, Tarrytown, NYC.

Brad Mehldau / Highway Rider

アルバムを購入するきっかけは、いろいろとある。このアルバムは、スイングジャーナル誌で高い評価を受けた。それではと思い、2010年4月にAmazonで輸入版を購入。一回聴いて「オレの感覚と違うな」と棚に仕舞い込んだ。その後、数回聴いたが、心が揺さぶられることなく終わった。ピアニストとしてのハチャメチャがないのだ。

今回、8年半振りに聴き直した。結果は同じ。頑丈な骨組み、完璧な譜面、許されない手癖。3拍子揃った非ジャズである。ブラッド・メルドーの音楽が非ジャズとは言わないが、少なくともこのアルバムは自分にはダメ。随所に入る手拍子すら譜面にきっちり書かれているような気がする。

Disc 1
1. John Boy
2. Don't Be Sad
3. At The Tollbooth
4. Highway Rider
5. The Falcon Will Fly Again
6. Now You Must Climb Alone
7. Walking The Peak

Disc 2
1. We'll Cross The River Together
2. Capriccio
3. Sky Turning Grey (For Elliott Smith)
4. Into The City
5. Old West
6. Come With Me
7. Always Departing
8. Always Returning

Brad Mehldau - piano, pump organ, Yamaha CS-80, orchestral bells, handclaps
Jeff Ballard - percussion, snare brush, drums, handclaps
Joshua Redman - soprano saxophone, tenor saxophone, handclaps
Larry Grenadier - bass, handclaps
Matt Chamberlain - drums, handclaps
Orchestra, Dan Coleman - conductor
Brad, Josh, Dan, Matt, Jeff, and special guests The Fleurettes, la la la vocals

Recorded on February 16 - 28 and May 12 - 19, 2009 at Ocean Way Studios, Hollywood, CA.

Brad Mehldau / Elegiac Cycle

後藤雅洋氏の著書『一生モノのジャズ名盤500』で、本作をこう紹介している。「ブラッド・メルドーが自分の音楽観をソロで表現した問題作。一部で“難しい”と受けとられもしたが、じっくり聴けば、彼の演奏には一本スジが通っていることがわかる。〈中略〉彼の代表作といってよい」。

代表作ならば聴いてみようと思って購入。確かにスジは通っているのだが、ソロとは言え聴き手の心を揺さぶるリズムが必要。それをほとんど感じないので、自分としては本作をジャズとは呼べない。メルドーの練習に付き合わされているようだ。

1. Bard
2. Resignation
3. Memory's Tricks
4. Elegy For William Burroughs and Allen Ginsberg
5. Lament For Linus
6. Trailer Park Ghost
7. Goodbye Storyteller (For Fred Myrow)
8. Rückblick
9. The Bard Returns

Brad Mehldau - piano

Recorded on February 1 & 2, 1999 at Mad Hatter Studios, Los Angeles.