Bud Powell / Ups'n Downs

商品解説から。「1972年リリース。パリに拠点を移していたバド・パウエルがニューヨークへ戻った64年後半から65年にかけての晩年の未発表セッションをコンパイル。65年にチャーリー・パーカー没後10周年に行われたメモリアル・コンサートで演奏した音源を含む貴重なバドの音源集」。

詳細な録音データが不明なアルバム。ベースは不詳で、ドラムもJ.C.モーゼスらしいが確かではない。唯一は、7曲目のラウンド・ミッドナイトで、1965年3月27日のカーネギーホールでのピアノソロ。パウエルのディスコグラフィーを見ると、データが明らかになっている最後の音源のようだ。その時のポスターを下記URLで見つけた。そして、パウエルは66年7月31日に41歳で他界。

http://birdparkerslegacy.com/carnegiehall/650327.html

1. Ups And Downs
2. Like Someone In Love
3. Earl's Impro
4. Thelonius
5. A Moment's Notice
6. Caravan Riffs
7. 'Round Midnight
8. Jazz Black And White
9. I Can't Believe You're In Love With Me
10. March To Paris
11. No Smokin'
12. I'm Always Chasing Rainbows

Bud Powell - piano
Unknown - bass (except track 7)
Unknown or J.C. Moses - drums (except track 7)

Recorded in 1965 - 1966.
Track 7: Recorded on March 27, 1965 at "Charlie Parker 10th Memorial Concert", Carnegie Hall, NYC.

Bud Powell / Inner Fires

CD帯から。「1年半ぶりに療養生活から復帰した“バップ・ピアノの父”バド・パウエルの、生気あふれるピアノ・タッチを味わうことのできる53年の録音。ワシントンD.C.の“クラブ・カヴァコス”でのライブで、パウエルはいつになく調子を上げており、イマジネイディブな魅力を充分に発散してみせる。音質こそベストではないものの、パウエル・ファンは必聴の1枚。ラストに収められているパウエルの肉声インタビューも、とても貴重である」。

パウエルの死後16年経った1982年に発掘されたプライベート音源。それにしても、ジャケットのイラストは異様である。M.Arismanとサインがあるので、Marshall Arisman(マーシャル・アリスマン October 14, 1938 - April 22, 2022)のこと。つい最近亡くなっている。このイラストと似たような彼のいくつかの作品をネットで見つけることができたので、本作のために描いた訳ではない。イラスト下には小さなフォントでPreviously unreleased live performances by the legendary genius of Modern Jazz Pianoとあるのだ。「モダンジャズピアノの伝説の天才」には似つかわしくないイラスト。

ところで、最後のトラックは、1963年1月と5月のパリでの5分近いインタビュー。冒頭からスキャットで歌い始めるパウエル。インタビュアーはフランス語なので内容は不明だが、何かの質問に対して、アル・ヘイグ、ハンク・ジョーンズ、セロニアス・モンク、マイルス・デイビス、マックス・ローチ、レイ・ブラウン、チャールズ・ミンガス、トシコ(秋吉敏子)などの名前をパウエルが答えている。

1. I Want To Be Happy
2. Somebody Loves Me
3. Nice Work If You Can Get It
4. Salt Peanuts
5. Conception
6. Lullabye Of Birdland
7. Little Willie Leaps
8. Hallelujah!
9. Lullabye Of Birdland [alternate master]
10. Sure Thing
11. Woody'n You
12. Bud Powell Interviews [Paris, France, January 15, and May 6, 1963]

Bud Powell - piano
Charlie Mingus - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on May 4, 1953 at "Club Kavakos", Washington, DC.

Bud Powell / Blues In The Closet

バド・パウエルのアルバムを全て所有している訳ではないが、写真やイラストを含めてジャケットに女性が登場するのは本作だけだと思う。3曲目に収められたBlues In The Closetは、モダンベースの確立者オスカー・ペティフォードの作品。この曲をアルバムタイトルにし、それをイメージしたジャケットになっている。直訳すれば「密室のブルース」だが、「秘めたる青」と意訳できそうだ。というか、ジャケットからそんな感じを受ける。

収録された12曲も全体的にブルーな感じ。セッションを一日で終えているので、ピアノトリオの呼吸がぴったりと合ったのだろう。パウエルのディスコグラフィーを見ると、この日の録音は撮り直しが少ない。ちなみに、パウエルがヴァーヴに残したアルバムは計7枚。本作がその最後。契約を履行するため、さっさと録音を終わらせたのだろうか。そして、ジャケットの女性は誰なのか。どちらも謎のままである。

1. When I Fall In Love
2. My Heart Stood Still
3. Blues In The Closet
4. Swingin' Till The Girls Come Home
5. I Know That You Know
6. Elegy
7. Woody'n You
8. I Should Care
9. Now's The Time
10. I Didn't Know What Time It Was
11. Be-Bop
12. 52nd Street Theme

Bud Powell - piano
Ray Brown - bass
Osie Johnson - drums

Recorded on September 23, 1956 at Fine Sound Studios, New York.