Bud Powell / Swingin' With Bud

タイトル通りで、純粋にパウエルのピアノ、そしてジョージ・デュビビエとアート・テイラーによるトリオ演奏を楽しめるアルバム。まさしくスイングしているのだ。本作の5ヶ月前1956年10月に録音されたアルバムStrictly Powellと同じメンバー。こちらもタイトル通り。ある種の厳しささえも感じる前作。静のパウエルと言えるだろう。そして、本作は動のパウエル。内向的と外交的とも言える。

パウエルのディスコグラフィーを見ると、57年1月にバードランドで同メンバーによるライブ演奏を行なっている(ライブアルバムは廃盤状態の模様)。恐らく、このライブが成功したため、本作の構想が生まれたのではないだろうか。

1. Another Dozen
2. Like Someone In Love
3. Salt Peanuts
4. She
5. Swedish Pastry
6. Shawnuff
7. Oblivion
8. In The Blue Of The Evening
9. Get It
10. Birdland Blues
11. Midway

Bud Powell - piano
George Duvivier - bass
Art Taylor - drums

Recorded on February 11, 1957 in NYC.

Bud Powell / Strictly Powell

パウエルのピアノの魅力を簡潔に表すのは、ちょっと難しい。一枚のアルバムを取り上げて、これこそがパウエルの真骨頂というのではなく、何枚かのアルバムを聴き続けることで感覚的に染み込んでくる。ジャズ評論家は、パウエルの時代的な精神状態を分析しながら、つまり麻薬中毒に陥った時期と彼のパフォーマンスを結びつけて言葉にしている。

それはそれでいいのだが、当の本人であるパウエルは、自分が思うままにピアノを演奏しただけのこと。そう思って聴くとジャズは面白くなるはず。背景は大事だが、瞬間の音のほうがもっと大事。パウエルの聴き方はそこにあると思う。

1. There Will Never Be Another You
2. Coscrane
3. Over The Rainbow
4. Blues For Bessie
5. Time Was
6. Topsy Turvy
7. Lush Life
8. Elegy
9. They Didn't Believe Me
10. I Cover The Waterfront
11. Jump City

Bud Powell - piano
George Duvivier - bass
Art Taylor - drums

Recorded on October 5, 1956 in NYC.

Bud Powell / The Amazing Bud Powell Vol.2

1949年8月、51年5月、53年8月の3つのセッションをパッケージしたアルバム。51年はピアノソロで、それ以外はピアノトリオ。バド・パウエルは51年8月から53年2月まで、長期にわたる入院を余儀なくされ、精神疾患の治療で電気ショック療法を受けていたことはよく知られている。

つまり、本作は長期入院前後の記録である。全12曲中の4曲が入院前、8曲が退院後。そういうことを意識しなくても、名演でありながらパウエルならではの鬼気迫る雰囲気が出ていない。そんな負の側面も含めて、パウエルはモダンジャズのピアノスタイルを確立させた。ジャズを深く知るためには、通らなければならないアルバムなのである。

1. Reets And I
2. Autumn In New York
3. I Want To Be Happy
4. It Could Happen To You
5. Sure Thing
6. Polka Dots And Moonbeams
7. Glass Enclosure
8. Collard Greens And Black-Eyed Peas
9. Over The Rainbow
10. Audrey
11. You Go To My Head
12. Ornithology [alternate take]

Tracks 1, 2, 3, 5 - 8 & 10
Bud Powell - piano
George Duvivier - bass
Art Taylor - drums
Recorded on August 14, 1953 at WOR Studios, NYC.

Tracks 4 & 9
Bud Powell - piano
Recorded on May 1, 1951 at WOR Studios, NYC.

Tracks 11 & 12
Bud Powell - piano
Tommy Potter - bass
Roy Haynes - drums
Recorded on August 9, 1949 at WOR Studios, NYC.