安富祖貴子 / THE BLUES

The Bluesというアルバムタイトルは直球勝負。そして、「セント・ルイス・ブルース」で幕を開け、ゴスペル・グループJumbleのコーラスを交えた「アメイジング・グレース」で幕を閉じると言う構成も心憎い感じだ。残念ながら、沖縄を本拠地としている安富祖貴子のライブは未経験。いつしか、迫力ある歌声を生で聴ければと願っている。彼女を追いかけて沖縄まで、という根性がないのも情けないのだが…。以下は商品解説からの抜粋。

「2006年のデビューアルバム〈魂 / Kon〉を始め、これまで4枚のアルバムを世に放ち、多数の賞を受賞し、その圧倒的な歌唱力でジャズ界において唯一無二の存在になりつつある、沖縄出身のジャズボーカリスト安富祖貴子。本作では〈ブルース〉をテーマに、そのソウルフルなボーカルを全面に打ち出した原点回帰とも言える作品。プロデューサーは国内No.1のベーシスト井上陽介」。そう言えば、井上のベースも生でまだ体験していないのだ。

1. St. Louis Blues
2. Everyday I Have The Blues
3. Please Send Me Someone To Love
4. I'd Rather Go Blind
5. Afro Blue
6. Early In The Morning
7. Left Alone
8. House Of The Rising Sun
9. Willow Weep For Me
10. Route66
11. Softly, As In A Morning Sunrise
12. Amazing Grace

安富祖貴子 - vocals
井上陽介 - bass
納谷嘉彦 - piano
大隅寿男 - drums
川嶋哲郎 - tenor saxophone, soprano saxophone
石田長生 - electric guitar, chorus
大隅卓也 - alto saxophone
Jumble - chorus

Recorded on May 31, June 1 & 2, 2011 at Crescente Studio, Tokyo.

Art Pepper / Living Legend

CD帯から。「表題の〈生ける伝説〉とはペッパー自身を指す。75年、長期間の沈黙からの脱出を遂に実現した復帰第一作。さびつくことのなかったアルトが、豊かにスムーズに鳴り響く」。ここでの長期間とは15年を指す。そして、脱出とは麻薬療養を意味する。つまり、1960年にリーダーアルバムを録音して、その後ある程度の音楽活動はしていたものの、15年振りに吹き込んだのが、このアルバム。

なので、タイトルは『生ける伝説』となった。そのイメージでアルバムは展開していく。バックのハンプトン・ホーズ、チャーリー・ヘインデン、シェリー・マンがペッパーを支える。ところが、ハンプトン・ホーズがエレキピアノも弾いてしまったことで、伝説が少し軽くなってしまった。70年代半ばと言う時代に迎合する必要はなかったはずなのに。

1. Ophelia
2. Here's That Rainy Day
3. What Laurie Likes
4. Mr. Yohe
5. Lost Life
6. Samba Mom-Mom
7. Samba Mom-Mom [alternate take]

Art Pepper - alto saxophone
Hampton Hawes - piano, electric piano
Charlie Haden - bass
Shelly Manne - drums

Recorded on August 9, 1975 in Los Angeles, CA.

Art Farmer / The Summer Knows

四谷のジャズ喫茶『いーぐる』店主・後藤雅洋氏が、著書『ジャズの名演・名盤』でこのアルバムを次のように紹介している。「日本制作盤に〈おもいでの夏〉という奴がある。いかにもというタイトル、サマーハットに写真が一枚載った少女趣味ジャケットとくると、大人はちょっと手を出し難い。しかしこれがそんなに悪くないのだ。内容はジャケットのイメージ通りかなり甘いのだけど、それが嫌味になっていない」。

それならばと思い、廉価盤が出たので購入。ファーマーのフリューゲルホーンを十分に楽しめるアルバムである。ただ、全6曲がアルバムコンセプト通りの仕上がりなので、ハッとする場面には出会えない。プロデューサーは、日本人の伊藤潔氏と伊藤八十八氏。夏は冒険しないと…。

1. The Summer Knows
2. Manha De Carnaval
3. Alfie
4. When I Fall In Love
5. Ditty
6. I Should Care

Art Farmer - flugelhorn
Cedar Walton - piano
Sam Jones - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on May 12 & 13, 1976 at Vanguard Studios, NYC.