Albert Ayler / New York Eye And Ear Control

サントラ盤。しかし、いきなりの咆哮で開始。ベースとドラムに対して4管のフロント。演奏が進んでいっても、主導権が誰にあるのかは不明。フリージャズとは言え、ベースが全体を支配するのが不文律であるが、その気配すら感じない。では、「よーいドン」でスタートして、この6人の目指すゴールはどこなのだろう。そんな浮遊感が漂う音空間。

実験的ではなく、実験ジャズ。それを記録に残したことに価値があって、実験としては「失敗」であったと言わざるを得ない。なぜなら、このアルバムに収録された3曲を、アルバート・アイラーは2度と演奏していないのだ。まぁ、サントラ盤であるし、完全即興演奏だろうから再演はあり得ないな。

1. Don's Dawn
2. A Y
3. ITT

Albert Ayler - tenor saxophone
Don Cherry - trumpet, cornet
Roswell Rudd - trombone
John Tchicai - alto saxophone
Gary Peacock - bass
Sunny Murray - drums

Recorded on July 17, 1964 in NYC.

Albert Ayler / Spiritual Unity

アルバート・アイラー、ゲイリー・ピーコック、サニー・マレーのトリオによる最初の記録は、1964年6月14日のニューヨークのセラー・カフェでのライブ演奏。アルバムProphecyとしてリリース。翌月の7月10日は、ライブより1曲少ないが同じ曲をスタジオで録音した。ライブで十分な手ごたえがあったからなのだろう。ProphecyとSpiritual Unityを順に聴くと、トリオの密度は高まっていることが分かる。ライブとスタジオの違いもあるのだろう。

CDが届いた時には驚いた。ラベル面がほぼ鏡面で、黒く「Y」の文字だけ。ジャケットの裏面にはこう書かれている。The symbol "Y" predates recorded history and represents the rising spirit of man.(シンボル「Y」は、記録された歴史の前からあり、人間の上昇する精神を示している)。何年も前に放出してしまったLPのラベルも「Y」の文字だけだったのか。写真を撮っておけばよかった。

1. Ghosts: First Variation
2. The Wizard
3. Spirits
4. Ghosts: Second Variation

Albert Ayler - tenor saxophone
Gary Peacock - bass
Sunny Murray - drums

Recorded on July 10, 1964 at The Variety Arts Recording Studio, NYC.

Albert Ayler / Prophecy

CD化でアルバムBellsと統合され、アルバムBells / Prophecyとなった。

1. Spirits
2. Wizard
3. Ghosts: First Variation
4. Prophecy
5. Ghosts: Second Variation

Albert Ayler - tenor saxophone
Gary Peacock - bass
Sunny Murray - drums

Recorded on June 14, 1964 at Cellar Cafe, NYC.