Art Blakey / A Night In Tunisia [Blue Note]

強力な布陣で臨んだジャズ・メッセンジャーズ。フロント2管は、ウェイン・ショーターとリー・モーガン。そして、ピアノはボビー・ティモンズである。だが、演奏内容に新しさがほとんどない。ある意味、エキサイティングなのだが、やれることをやっただけのアルバム。当時の彼らは、もっと新しいジャズにチャレンジしてきたはず。にもかかわらず、ブレイキーの元、マイナーチェンジを繰り返しながら、焼き直しをせざるを得なかったバンド。

全ての責任はブレイキーにある。ジャズは様々な意味で進化していったが、ブレイキーは頂点に達した自己のグループの存在意義を保とうとした。アルバムの内容としては価値があるものの、時代的には何も変えられなかったアルバムの一つ。CD帯から。「名門ジャズ・メッセンジャーズの黄金時代に録音された壮大なドラマ。迫力のドラムソロから始まり、メンバー全員が炎のようなソロを繰り広げるタイトル曲はファンキー・ジャズ屈指の名演」。壮大なドラマかもしれないが、ハプニングがないのだ。

1. A Night In Tunisia
2. Sincerely Diana
3. So Tired
4. Yama
5. Kozo's Waltz

Wayne Shorter - tenor saxophone
Lee Morgan - trumpet
Bobby Timmons - piano
Jymie Merritt - bass
Art Blakey - drums

Tracks 1, 3 & 5
Recorded on August 14, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tracks 2 & 4
Recorded on August 7, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Art Blakey / The Big Beat

ウェイン・ショーターが3曲(tracks 1, 2 & 5)提供しているが、極めつきはボビー・ティモンズ作のDat Dere。しかし、この曲は1960年1月録音のティモンズ名義のアルバムThis Here Is Bobby Timmonsに収録されている。その2ヵ月後、ティモンズは本作の録音に持ち込んだことになる。それは、アート・ブレイキーの注文だったのか、ティモンズの押し売りだったのか。いずれにしても、Dat Dereが本作の価値を高めていることは事実。所有するアルバムでは、シーラ・ジョーンズが62年録音のアルバムPortrait Of Sheilaでこの曲を歌っている。

It's Only A Paper Moonが本作のラストを飾る。ジャズ・メッセンジャーズは、いくつかのアルバムでこの曲を取り上げていて、アルバムタイトル通りにビート重視のアレンジ。だが、アドリブに入ると、何の曲なのか分からなくなってしまう。

1. The Chess Players
2. Sakeena's Vision
3. Politely
4. Dat Dere
5. Lester Left Town
6. It's Only A Paper Moon
7. It's Only A Paper Moon [alternate take]

Wayne Shorter - tenor saxophone
Lee Morgan - trumpet, flugelhorn
Bobby Timmons - piano
Jymie Merritt - bass
Art Blakey - drums

Recorded on March 6, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Art Blakey / At The Jazz Corner Of The World Vol.2

Vol.1はBlue Note ST-4015、Vol.2は4016なので、連番として1959年中にリリースされている。最近は2枚組CDもあるようだが、当時は2枚組LPという販売形態はなかったのだろう。どちらにも、トラディショナル曲The Themeが収録されている。Vol.1は2分19秒、Vol.2は9分12秒。マイルスもライブのエンディングに良く用いた曲である。そんなステージの終わりを告げる曲を9分以上も演奏した理由がちょっと分からない。当日の演奏曲順が気になってしまうのだ。

1. Announcement by Art Blakey - Chicken An' Dumplins
2. M & M
3. Hi-Fly
4. The Theme
5. Art's Revelation

Hank Mobley - tenor saxophone
Lee Morgan - trumpet
Bobby Timmons - piano
Jymie Merritt - bass
Art Blakey - drums

Recorded on April 15, 1959 at Birdland, NYC.