Grant Green / Talkin' About!

アルバムタイトルTalkin' Aboutは、1曲目のラリー・ヤング作Talkin' About J.C.から拝借している。ジャケットには、このTalkin' Aboutを羅列。では、J.C.とは…。ライナーノーツを担当した行方均氏によれば、「もちろんジョン・コルトレーンだ」とある。レナード・フェザーの英文ライナーノーツには、”Talkin' About J.C. . . . mention of Coltrane brings to mind the first title in the album, dedicated of course to Trane.”とあるので、その焼き写しだろう。そして、ヤングのWikipediaでは「1964年にブルーノートに移籍した頃には、ジョン・コルトレーンの顕著な影響が見えるようになった」と記されている。

しかしながら、本作の2年半前、1962年2月に録音したヤングのリーダー作Groove Streetには、この曲が収録されているのだ。その時点で、コルトレーンの影響があったかもしれないが、J.C.をコルトレーンと断定して良いのだろうか。まぁ、そんなことを思いながら、グラント・グリーン、ラリー・ヤング、エルビン・ジョーンズのトリオによる濃密な演奏をあれこれとTalkin' Aboutしたくなるのだ。

1. Talkin' About J.C.
2. People
3. Luny Tune
4. You Don't Know What Love Is
5. I'm an Old Cowhand
6. Deep River

Grant Green - guitar
Larry Young - organ
Elvin Jones - drums

Recorded on September 11, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

吉田拓郎 / 今はまだ人生を語らず

このCDを手に入れることは、もう諦めていた。「ペニーレインでバーボン」の中の言葉。「つんぼ桟敷」によって生産中止となったためだ。昔から所有している2枚組LPのベストアルバム「よしだたくろう 1971-1975」には、原曲のままの「ペニーレインでバーボン」が入っているので、LPのノイズ交じりで我慢していた。

しかし、2022年12月21日。CDは約30年振りに復刻となった。なぜに、レコード会社はこの長い間封印してきたのか。そして、この時期になぜに開封したのか。その真意は明らかにされず、拓郎ファンは「つんぼ桟敷」に置かれてしまっている。また、拓郎自身のコメントも伝わって来ない。今はまだ人生を語らずということなのだろうか。

1. ペニーレインでバーボン
2. 人生を語らず
3. 世捨人唄
4. おはよう
5. シンシア
6. 三軒目の店ごと
7. 襟裳岬
8. 知識
9. 暮らし
10. 戻ってきた恋人
11. 僕の唄はサヨナラだけ
12. 贈り物

吉田拓郎 – vocal, acoustic guitar, electric bass, acoustic piano, electric guitar, blues harp
かまやつひろし – vocal (track 5)
松任谷正隆 - acoustic piano, hammond organ, electric piano, strings ensemble
石川鷹彦 - electric guitar
常富喜雄 - electric guitar, chorus, flat mandolin
矢島健 - electric guitar, chorus
村岡建 – tenor saxophone
平野肇 - drums, electric bass
村上秀一 - drums
内山修 - drums
後藤次利, 石山恵三 - electric bass
陣山俊一, 前田仁 - chorus
瀬尾一 - string part arrangement

発売 1974年12月10日

Tete Montoliu / Tete!

豪快にスイングするピアノトリオ。英文ライナーノーツの最後では、ベン・ウェブスターによるテテ・モントリューへの賛辞を紹介している。"This Spanish fellow swings like no pianist in Europe"(このスペイン野郎はヨーロッパのどのピアニストよりもスウィングするぜ)。1968年から72年の間、ウェブスターはモントリューとの共演アルバムを4枚残した。この賛辞は、それらのセッションの時のものだろう。誇張とは決して思えない。

ウェブスターとの共演から2年後、74年5月に本作はコペンハーゲンで録音。1曲目に収録されたGiant Steps(巨人の歩み)の如く、この2年間で大きく成長したモントリュー。ヨーロッパという枠を乗り越えたと言える。だが、72年に設立されたデンマークのレーベルSteepleChaseからのリリース。モントリューの真の実力が、世界的に知られるようになるまでは、時間を要したはずだ。

1. Giant Steps
2. Theme For Ernie
3. Body And Soul
4. Solar
5. I Remember Clifford
6. Hot House

Tete Montoliu - piano
Niels-Henning Ørsted Pedersen - bass
Albert 'Tootie' Heath - drums

Recorded on May 26, 1974 at Rosenberg Studie in Copenhagen, Denmark.