Charles Mingus / Mingus Three

LPに入っている7曲でも十分に聴きごたえのあるアルバム。今回、レーベルPOLL WINNERS RECORDSの輸入盤中古CDを購入。何とボーナスとして8曲追加。ミンガス名義でない1955年と56年録音のアルバム3枚から、ミンガスが参加している曲を選んでいる。ミンガス・ファンのことを十分に考えた企画である。同梱された小冊子には、CD化についての説明、LP時代のナット・ヘントフのライナーノーツ、そしてダウンビートのレビュー記事が掲載されている。555円(送料別)での購入はすごく得した気分である。

全15曲の前半7曲が、ミンガスとハンプトン・ホーズのブルース一騎打ち。どちらがブルージーな演奏ができるかを競っている感じだ。二人のディスコグラフィーをそれぞれ調べたが、1957年7月9日のこのセッションでしか、二人は顔を合わせていない。Mingus ThreeではなくMingus x Hawesのようなタイトルにすべきだった。

1. Yesterdays
2. Back Home Blues
3. I Can't Get Started
4. Hamp's New Blues
5. Summertime
6. Dizzy Moods
7. Laura
8. Cherokee
9. Blues Too Much
10. Thou Swell
11. The Boy Next Door
12. Laura
13. When Your Lover Has Gone
14. Just One Of Those Things
15. Blue Greens

Tracks 1 - 7
Hampton Hawes - piano
Charles Mingus - bass
Danny Richmond - drums
Recorded on July 9, 1957 in NYC.

Tracks 8 - 11
John Mehegan - piano
Charles Mingus - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on January 30, 1955 in NYC.
From Various Artists - I Just Love Jazz Piano - Down And Out (Savoy MG 12100)
From The John Mehegan Trio - Quartet (Savoy MG 15054)

Tracks 12 - 15
Teddy Charles - vibraphone
Hall Overton - piano
Charles Mingus - bass
Ed Shaughnessy - drums
Recorded on November 12, 1956 in NYC.
From Teddy Charles - The Word From Bird (Atlantic LP 1274)

Charles Mingus / The Clown

ミンガスの代表アルバム『直立猿人』の続編とも言える『道化師』。全4曲、ミンガスの作品である。LP裏面にはナット・ヘントフによるライナーノーツがあり、ミンガス自身による各曲の解説を引用している。ポイントだけ抜き出すと以下のようになる。

「Haitian Fight Song(ハイチ人の戦闘の歌)は、偏見、憎しみや迫害について考えないと真の演奏はできない。Blue Ceeは、カウント・ベイシーのようでもあり、教会の雰囲気を出している。Reincarnation Of A Lovebirdは、チャーリー・パーカーに捧げた曲。The Clownは、死ぬまで観客を喜ばせることができなかった道化師の物語だ」。アルバム全体に一貫した主張がある。それは「黒人」だろう。ブンブンと唸るミンガスのベースが、「身構えて聴け!」と言っている気がする。

1. Haitian Fight Song
2. Blue Cee
3. Reincarnation Of A Lovebird
4. The Clown

Shafi Hadi - alto saxophone, tenor saxophone
Jimmy Knepper - trombone
Wade Legge - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums
Jean Shepherd - narration (track 4)

Recorded on February 13 and March 12, 1957 at Atlantic Studios, NYC.

Charles Mingus / Pithecanthropus Erectus

LPのジャケット裏面には、ミンガス自身による長文の解説が掲載されている。このアルバムは何度となく聴いてきたが、初めて自分で訳してみた。まず、ミンガスの「ジャズ・ワークショップ」の演奏スタイルが書かれている。「ピアノでフレームワークを演奏し、自分の解釈と感覚、そして使用するスケールとコード進行をメンバーに精通してもらう」とある。つまり、ミンガスは譜面を配らないと言う事だ。まさしくワークショップ。ミンガスが課題を投げ掛け、メンバー全員で議論を積み重ねながら解いていくと言う手法。そのスタイルを前提として、収録した4曲を次のように説明している。

「Pithecanthropus Erectus(直立猿人)」。4つのムーブメント。進化、優越感、衰退、破壊。テンポと強度が増してクライマックスに向かう。死にかけている生物が息を切らしてから、必死の動きをするように、最終的な破壊を示している。「A Foggy Day」。私はロンドンには行ったことがないので、サブタイトルはサンフランシスコの霧の日。トラック、ケーブルカー、群衆の乱闘、交通の乱れ、警笛、酔っぱらい。霧に包まれた都会の喧騒を再現した。「Profile Of Jackie」。音楽絵画のバラード。「Love Chant」。標準的なコードを使い、それを拡張していくスタイル。曲のムードを維持しながら、演奏は無制限な自由を可能としている。

翻訳は苦労したが、ミンガスに一歩近づいた気がする。

1. Pithecanthropus Erectus
2. A Foggy Day
3. Profile Of Jackie
4. Love Chant

J.R. Monterose - tenor saxophone
Jackie McLean - alto saxophone
Mal Waldron - piano
Charles Mingus - bass
Willie Jones - drums

Recorded on January 30, 1956 at Atlantic Studios, NYC.