Tommy Flanagan / The Tommy Flanagan Trio

プレスティッジ・レーベルの傍系レーベルMoods Villeからのリリース。資料によると、このレーベルからリリースされたのは計39枚。最初の9枚全ては1960年にリリースされ、ジャケットのフォーマットを統一。つまり、本アルバムは統一フォーマットの最後に位置する。そんなマーケティング戦略の中で、録音を行い、ジャケットが付与されてリリースされた訳である。

トミー・フラナガンは、全てを納得していたのだろうか。録音された60年は、ジャズにおいて次々と新しい流れが噴出していた。そういう流れと距離を置いて作られたアルバムと言える。このアルバムの演奏の価値が低いとは言わないが、時代背景を考えると、室内にこもってしまったジャズではないだろうか。

1. In The Blue Of The Evening
2. You Go To My Head
3. Velvet Moon
4. Come Sunday
5. Born To Be Blue
6. Jes' Fine
7. In A Sentimental Mood

Tommy Flanagan - piano
Tommy Potter - bass (except track 4)
Roy Haynes - drums (except track 4)

Recorded on May 18, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tommy Flanagan / Overseas

ようやく安価な中古CDを手に入れることができた。これまでは、ノイズだらけのLPをデジタル化しiPhoneに突っ込み、通勤途中で聴いていたので「名盤」が「冥盤」だった。ようやく光が射してきた感じ。オマケに別テイクが3曲加わった。聴きどころ満載のアルバム。注目はフラナガン作であるEclypso。所有するフラナガンのアルバム10枚の中で、4枚に収録されている。録音順に、The Cats(57年4月)、Overseas(57年8月)、Eclypso(77年2月)、Flanagan's Shenanigans(93年4月)。フラナガンの自信作なのだ。

未だに分からないのは、なぜにストックホルムでこのアルバムを録音したか。ディスコグラフィーを見ても、57年前後で北欧での他の録音はない。オーバーシーズというコンセプトが先に決まり、「じゃあ海外で録音!」とは考えられない。ジャケットのCの数が17×11。素数×素数にその答えがあるのだろうか? ――― 改めて、LPのライナーノーツ(油井正一氏、1976年12月7日付け)を読んだら答えを見つけた。J.J.ジョンソン・コンボのメンバーとしてスウェーデンへの楽旅にしたとき、ストックホルムのメトロノーム・レコードに吹き込んだとあった。

1. Relaxin' At Camarillo
2. Chelsea Bridge
3. Eclypso
4. Beat's Up
5. Skal Brothers
6. Little Rock
7. Verdandi
8. Delarna
9. Willow Weep For Me
10. Delarna [take 2]
11. Verdandi [take 2]
12. Willow Weep For Me [take 1]

Tommy Flanagan - piano
Wilbur Little - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on August 15, 1957 in Stockholm, Sweden.

Albert Ayler / New Grass

発売された当時、かなり批判があったアルバムらしい。リズム&ブルースとも言えるし、ブラックミュージックと言ってもいいだろう。ソウルシンガーズによるボーカルまで登場する。だが、アルバート・アイラーがやりたかった音楽が、ここにあったのかも知れない。それは、決してフリーキーなジャズではなく。1962年10月にThe First Recordingsを録音し、その6年後に自分自身が解放されるアルバムをようやく作ることができた。そんな解釈もできる。このアルバムにこそ、アイラーの本質があった。そんなふうに聴くと、実に楽しくなるアルバムなのだ。

所有する20枚ほどのアイラーのアルバムの中で、彼の肉声を聴く事が出来るのは、アルバムMy Name Is Albert Aylerと本作。本作には、アイラーのボーカルさえ入っている。彼からのメッセージがジャケットに書かれている。その全文と要約を以下に記載してみた。中上健次が書いたように『破壊せよ、とアイラーは言った』なんて、アイラーは一言も言っていないのだ。

The music I bring to you is of a different dimension in my life. I hope you will like this record. Through meditation, dreams and visions, I have been made a universal man through the power of the creator who made us all. The music I have played in the past I know I have played in another place at a different time. And I was sent once again to give the people of earth a spiritual message.

The message I bring to you is one of spiritual love, peace, and understanding. We must restore universal harmony. Everybody is only thinking of themself, a selfish ego. We must have love for each other and our fellow man. Woe, woe unto the false prophet that prophesies out of his own heart. This is a sin against the Lord. We must understand this. We must get ourselves together soon because there will nothing left. Praise to the Lord, repent, pray again, and repent. Please do that for your sake.

これまでとは異なる次元の音楽を贈ります。気に入ってくれれば良いのですが。思考、夢、未来像を通し、創造主の力によって普遍性を感じました。これまでに演奏してきた音楽とは別次元のものです。何度も精神的なメッセージを受け入れてきました。

ここでは、精神的な愛、平和、共感の気持ちを贈ります。普遍的な調和を取り戻すべきなのです。誰もが自己のことしか考えていません。互いに愛を分かち合わなければならないでしょう。心にもないことを発する偽の預言者には災いを。主に対する罪です。そこには何もなく、すぐに互いに身を寄せ合わせなければなりません。主に賛美し、悔い改め、もう一度祈りましょう。あなたのために。

1. Message From Albert - New Grass
2. New Generation
3. Sun Watcher
4. New Ghosts
5. Heart Love
6. Everybody's Movin'
7. Free At Last

Albert Ayler - recitation, tenor saxophone, vocals, whistling
Seldon Powell - flute, tenor saxophone
Buddy Lucas - bass, baritone saxophone
Burt Collins - trumpet
Joe Newman - trumpet
Garnett Brown - trombone
Call Cobbs - electric harpsichord, harp, organ, piano
Bill Folwell - bass, electric bass
Bernard "Pretty" Purdie - drums
Rose Marie McCoy - vocals
Soul Singers - vocals

Recorded on September 5 & 6, 1968.