スイングジャーナル 1984年12月臨時増刊「モダン・ジャズ読本'85」

「ジャズはどうなっているのか、そして次代のジャズはどうなっていくのか」という特集記事で、次のキャッチコピーが書かれている。

・ニューオリンズからやってきたウイントン・マルサリスは”天の恵み”だった
・”新伝承派”によってメインストリーム・ジャズは蘇った

新伝承派なる言葉を作り上げ、ジャズをつまらない方向に導いたスイングジャーナルと、この時期の編集長の罪は大きい。

スイングジャーナル 1983年12月臨時増刊「モダン・ジャズ読本'84」

ウイントン・マルサリスは、未だにファンになれない。トランペットがうまいのは分かっている。フォー・ビート回帰の立役者だったということも評価したい。だけど、ジャズの巨人と言われてきたミュージシャンは、ジャズ界がどうなろうと気にはしていなかった。自分が目指す音楽をやっていたに過ぎない。つまり「回帰」などという考えは、全くなかったはずだ。

パーカー、トレーン、マイルス、ミンガス、モンク、パウエル。誰一人、ジャズに対して過去の遺産みたいな考えはなかった。そんなウイントン・マルサリスをスイングジャーナルは神童ともてはやした。結局のところ、神童はただのプレイヤーになってしまったのだ。

スイングジャーナル 1982年12月臨時増刊「モダン・ジャズ読本'83」

表紙はマイルス。しかし、「追悼企画★今年逝った3人の巨星たち」という短い記事がとてつもなく重い。セロニアス・モンク(1982年2月17日)、アート・ペッパー(6月15日)、ソニー・ステット(7月23日)の3人である。

可能な限りこの3人のアルバムは収集してきたものの、この年を境にして彼らの新たなプレイを聴くことができなくなったことを覚えている。もう40年近く前の出来事。