Miles Davis / Walkin'

学生時代。当然ながら金はなく、ジャズの名盤を少しずつ買い集めながら、購入したアルバムを何度も繰り返し聴いていた。このアルバムもその一つで、一曲目のWalkin'に酔いしれた。ジャズ研での練習を終え、焼き鳥屋で安酒を飲んだ帰り、Walkin'の最初のフレーズ「タッターラァー・タッタッァ…」を口ずさみながらタイトルのようにウォーキングできるかという実験?をした。

結果は失敗。素直に両足が前へ進まない。マイルスは、この曲の演奏中はスタジオや舞台で歩いていない、というの結論に達したのだ。その時、(飲んで)歩くには3拍子がピタッと来ることをメンバーで発見。で、自分たちの次の課題曲はMy Favorite Thingsに決定。

ところで、本アルバム唯一の白人プレイヤーDavey Schildkraut(デイブ・シルドクラウト)の名前はジャケット表にはなぜか記載されていないが、ジャケット裏ではIra Gitler(アイラ・ギトラー)がornithologistと紹介している。鳥類学者、つまりチャーリー・パーカー派ということ。彼を含んだ1954年4月3日のセッションでは、このアルバム以外にI'll Remember Aprilも吹き込んでいて、それはアルバムBlue Hazeに収録されている。

1. Walkin'
2. Blue 'N' Boogie
3. Solar
4. You Don't Know What Love Is
5. Love Me Or Leave Me

Tracks 1 & 2
Miles Davis - trumpet
Lucky Thompson - tenor saxophone
J.J. Johnson - trombone
Horace Silver - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on April 29, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 3, 4 & 5
Miles Davis - trumpet
Davey Schildkraut - alto saxophone (except track 4)
Horace Silver - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on April 3, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Miles Davis / Blue Haze

極めて地味なマイルスのアルバム。その理由はジャケットにある。所有する全アルバム約2,000枚の中で最低限のレベル。しかし、内容は決して悪くない。3つのセッション(1953年5月、54年3月と4月)を寄せ集めたものだが、まとまり感があり、選曲のバランスがいい。後にスタンダード曲となったマイルス作Fourの最初の吹込みも聴けるのだ。

特筆すべきは、ミンガスがSmoochの1曲だけ参加している点。しかもピアノである。53年5月19日の出来事。ミンガスのディスコグラフィーによると、この日の録音はSmoochのみ。この曲はマイルスとミンガスの合作となっているが、別の録音は見当たらない。なぜにミンガスはピアノで1曲弾くためにスタジオ入りしたのか。いまだに謎である。

1. I'll Remember April
2. Four
3. Old Devil Moon
4. Smooch
5. Blue Haze
6. When Lights Are Low
7. Tune Up
8. Miles Ahead

Track 1
Miles Davis - trumpet
David Schildkraut - alto saxophone
Horace Silver - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on April 3, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 2, 3 & 5
Miles Davis - trumpet
Horace Silver - piano
Percy Heath - bass
Art Blakey - drums
Recorded on March 15, 1954 at Beltone Recording Studios, NYC.

Tracks 4, 6, 7 & 8
Miles Davis - trumpet
John Lewis - piano (tracks 6-8)
Charles Mingus - piano (track 4)
Percy Heath - bass
Max Roach - drums
Recorded on May 19, 1953 at WOR Studios, NYC.

Miles Davis / Volume 2

Vol.1は1952年5月と54年3月の2つのセッションを組み合わせたもの。Vol.2の本作は、その中間の53年4月のセッションという奇妙な構成になっている。マイルス・デイビス自叙伝①では、録音した4月20日の事が詳しく書かれている。

「この日のことはよく覚えている。というのも、オレとジミー・ヒースで、エルモ・ホープからどうやってヘロインを手に入れようかと、いろいろ算段したからだ。エルモはピアニストだったが、ヘロインの売人みたいなことをやっていた。レコーディング・スタジオが彼の近所だったから、演奏の前にちょっとハイになるために、すこしばかりヘロインが欲しかったんだ。〈中略〉で、プロデューサーのアルフレッド・ライオンに、ジミーが楽器のリードが必要なんで、オレも一緒に行ってリードの箱を運んでくると嘘をついた。誰だって知っているだろうが、リードの箱なんて石鹸くらいの大きさで、持ってくるのに二人も要るわけがない。アルフレッドが信じたのか、勝手にさせておいたのか知らんが、とにかくそんなわけで、あのレコーディングの時は、めちゃくちゃハイになっていた」。演奏内容より、ヘロインの話が中心だ。

1. Kelo [alternate take]
2. Kelo
3. Enigma [alternate take]
4. Enigma
5. Ray's Idea [alternate take]
6. Ray's Idea
7. Tempus Fugit
8. Tempus Fugit [alternate take]
9. C.T.A. [alternate take]
10. C.T.A.
11. I Waited For You

Miles Davis - trumpet
Jimmy Heath - tenor saxophone
J.J. Johnson - trombone
Gil Coggins - piano
Percy Heath - bass
Art Blakey - drums

Recorded on April 20, 1953 at WOR Studios, NYC.