Bob Dylan / はじまりの日

2010年3月発行 岩崎書店 定価1,600円。ディランの曲Forever Youngを詩人Arthur Binard(アーサー・ビナード)が日本語に訳し、イラストレーターPaul Rogers(ポール・ロジャース)が絵にした。この絵本には、ディランによるこの曲の解説が載っている。

「ぼくはひとりアリゾナ州に行って、そこで息子のことを思いながら〈フォーエバーヤング〉という歌をつくった。べつに作詞作曲をやろうと意気込んだわけじゃなく、自然にうかんできて、そのままできあがった。なるべく感傷的にならないように、ちょっと努力しただけだ」。以下は、ビナードの訳詞とディランの原詩の最初。ディランの作品の中で、自分が最も好きな曲の一つ。

きみが 手をのばせば しあわせに とどきますように
きみのゆめが いつか ほんとうに なりますように
まわりの 人びとと たすけあって いけますように
星空へ のぼる はしごを 見つけますように
毎日が きみの はじまりの日
きょうも あしたも
あたらしい きみの はじまりの日

May God bless and keep you always
May your wishes all come true
May you always do for others
And let others do for you
May you build a ladder to the stars
And climb on every rung
May you stay forever young
Forever young, forever young
May you stay forever young

この絵本の最後には、ロジャースによる一枚一枚の絵の解説が載っている。それを読みながら、繰り返し絵を見るのも楽しい。絵の中には様々な人物が登場する。なんと、セロニアス・モンクまでいるのだ!

吉田拓郎 / ah-面白かった

今日、6月28日入荷。所有する拓郎のアルバム数としては47枚目。2019年のコンサートツアーは、Live 73 Yearsと拓郎自身の年齢を記した。同梱された小冊子には、拓郎による全演奏曲の解説がある。「わたしの足音2019」では、「僕のラストとなるかも知れないライブ」と書いている。ツアータイトルに自分の年齢を入れた理由は、ここにあった。

そして、それから3年。自ら最終アルバムと宣言したアルバムを「面白かった」と過去形にして仕上げた。全曲、拓郎の作品。タイトル曲「ah-面白かった」には「いつも履いている シューズを脱ぎ捨て 何も言わずに部屋へ逃げる」と。自分が中学時代から追いかけて来た拓郎。仕方ない。時が刻まれていくことには誰も逆らえない。こちらも「面白かったぜ」と返信するしかないのだ。

CD
1. ショルダーバッグの秘密
2. 君のdestination
3. Contrast
4. アウトロ
5. ひとりgo to
6. 雨の中で歌った
7. 雪さよなら
8. Together
9. ah-面白かった

DVD
1. 「ah-面白かった」制作メイキング映像
2. 吉田拓郎インタビュー

スイングジャーナル 1986年12月増刊「JAZZ BOOK '87」

自分が理事を務める応用科学学会では、「人工知能とひと」と題して秋季シンポジウムを計画している。今、人工知能は第3次ブームを迎えていて、第2次ブームが1980年代末に終焉した。

1986年末のスイングジャーナル増刊号を開くと、「空前のジャズ・ブームを探る」という特集記事があった。確かにそうだったのだろう。だが、やはりブームは静かに去って行った。残念ながら、ジャズ界においては人工知能のように新たなブームは湧き上がっていない。

そういえば、この増刊号が発刊された頃、自分は画像認識エキスパートシステムの研究に没頭していた時期ではないだろうか。証拠があった・・・。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110002724370