Jim Hall / Live In Tokyo -Complete Version-

タイトルに「完全版」と付くが、かなり怪しい。オリジナルLPに収録されなかった「アランフェス協奏曲」、LP再リリース時にカットされた「シークレット・ラブ」が加わっている。つまり、サンプラザでのライブを完全に収録したわけではない。全6曲で52分余り。サンプラザの観客が、これで満足するはずはない。

だが、このCDには大満足である。アルバム解説には、こう書いてある。「ここでは全盛期の脂の乗ったジム・ホールが聴ける名演揃い。まさに'70年代のジム・ホールにハズレなし。チャーリー・パーカーのBillie's BounceやロリンズのSt. Thomas、ジム・ホール作Twister等収録。録音も素晴らしい」。特に反論はないが、ホールに「全盛期」ってあったのだろうか。常に安定したプレイを続け、ジャズギタリストの第一線をキープしていたと思う。

1. Billie's Bounce
2. Twister
3. Secret Love
4. Concierto De Aranjuez
5. Chelsea Bridge
6. St. Thomas

Jim Hall- guitar
Don Thompson - bass
Terry Clarke - drums

Recorded on October 28, 1976 at Nakano Sun-Plaza Hall, Tokyo.

Jim Hall / Valse Hot: Sweet Basil 1978

ジム・ホールのベースとのデュオというと、1972年4月録音のロン・カーターとのライブアルバムAlone Togetherがすぐに思い浮かぶ。それから6年後の78年1月、相手をレッド・ミッチェルに替えて、再びライブ演奏に取り組んだ。今度は、タイトルにロリンズ作Valse Hotを入れている。そして、Alone Togetherを再演。そうなると、2つのAlone Togetherを聴き比べたくなる。

どちらも、ベースが主旋律を担っている。カーターは快走、ミッチェルは重厚といった感じ。それは、この曲だけに限らず、アルバム全体に言えること。ミッチェルは、アルバムAlone Togetherをすでに聴いていただろう。その中で、この曲だけは必然的にカーターと比較されてしまうので、やり難かったと想像してしまうのだ。いや、カーターとは違う味を出したいとミッチェルの選曲だったのかもしれない。

ところで、このアルバムにはハイレゾ音源を収録したディスクがオマケ?で付いてくる。ディスクのラベルには、24Bit/96k Filesと書かれているが、実際のWAVファイルのプロパティを見ると9216kbpsになっている。つまり、192kHz×24bit×2ch=9216kbpsなので、96kではなく192kHzが正解。この場合、1分当たり69.12MBのファイル容量。全6曲で3.396GBなので、49分余りの演奏となる。ジャケット裏に記載のトータル50分と合致する。

1. Now's The Time
2. Valse Hot
3. Alone Together
4. There Is No Greater Love
5. God Bless The Child
6. Stella By Starlight

Disc 1 - Audio 16bit/44.1kHz
Disc 2 - High Resolution 24bit/192kHz

Jim Hall - guitar
Red Mitchell - bass

Recorded on January 18 & 19, 1978 at Sweet Basil, NYC.

Blue Notes 7th Concert / 1979.12.17 吉祥寺マイナー

23歳の誕生日は、学生生活最後のライブ演奏だった。場所は吉祥寺のマイナー。この店は、もう存在しない。この時、ジャズ研の部長職は後輩に譲っていて、半ばゲストで出演。しかしながら、トリを任せてもらった。

演じたのは、ダイク(ベートベンの交響曲第9番)とヤメラレナイノ(My Favorite Thinngs)。一夜限りのグループ名は「東京全力」。そして、一句吐いた。

ほとばしる あせをふきつつ きょうもまた
わけもわからず おととたわむる