渡辺貞夫 / Paysages

ようやく手に入れたアルバム。学生時代、スイングジャーナル1971年9月号を古本で購入。それから何年も経って詳しく読み返したところ、本作のセッション風景を描いた記事を発見。渡辺貞夫、菊池雅章、ゲイリー・ピーコック、富樫雅彦、村上寛という豪華メンバーによるスタジオ録音。早速、アマゾンで検索すると、なんと新品で12,000円以上、中古でも6,000円。どうにも手を出せず、アマゾンの「ほしい物リスト」に放り込んでおいた。

そして先日、2,000円以下の紙ジャケット・アルバムを発見。約50年を掛けて入手できた訳である。何故かジャズ喫茶で出会う機会がなかったアルバムでもある。タイトルPaysagesはフランス語で「景色、田園」。さらに、サブタイトルがあり、見開き紙ジャケットの内側にBright and Sunny! This is the New Cool Sounds of Sadao Watanabe!と書かれている。かなり欲張ったタイトルで、ナベサダの意欲が伝わってくるのだが、たった1日だけのセッションでは、十分に消化し切れなかった感じだ。記事によると、録音を終え、ピーコックは最終の新幹線で京都に帰り、プーさんこと菊池雅章は、「もっとうまく出来ると思ったんだけどな」と一言。

1. Paysages Part 1 & 2
2. Out - Land
3. Space Is Not A Place
4. Green Air
5. Provincial

渡辺貞夫 - alto saxophone, flute, sopranino
菊地雅章 - piano, electric piano
Gary Peacock - bass
富樫雅彦 - percussion
村上寛 - drums

Recorded on June 22, 1971, CBS/SONY 1st Studio, Tokyo.

Don Byas & Bud Powell / A Tribute To Cannonball

伝説のテナー奏者とも言われるDon Byas(ドン・バイアス)が参加する所有アルバムは、本作とチャーリー・クリスチャンのアルバムJazz Immortalのみ。1976年4月臨時増刊「世界ジャズ人名辞典」によると、1971年1月にアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの一員として来日したとのこと。だが、その時のライブはアルバム化されていないので、日本での彼の知名度は高くない。ジャケットではDon Byas/Bud Powellと記載されているが、CD帯には「バド・パウエル&ドン・バイアス」とあるのは仕方ないだろう。

そのCD帯から。「パリに長期滞在していたバド・パウエルとドン・バイアスが、ヨーロッパツアー中だったキャノンボール・アダレイのプロデュースで吹き込んだ再会セッション。やはり欧州を拠点としていたアイドリース・シュリーマン(トランペット)、ケニー・クラーク(ドラムス)と共に、くつろいだプレイを展開する。復刻にあたり、キャノンボールも演奏に参加した〈チェロキー〉を追加収録」。なんというか、野球の監督が代打で自分を指名したようなものだ。弾丸(キャノンボール)打法。

1. Just One Of Those Things
2. Jackie My Little Cat
3. Cherokee
4. I Remember Clifford
5. Good Bait
6. Jeannine
7. All The Things You Are
8. Myth
9. Jackie My Little Cat [alternate version]
10. Cherokee [unissued alternate]

Don Byas - tenor saxophone
Cannonball Adderley - alto saxophone (track 10)
Idrees Sulieman - trumpet (tracks 5-8)
Bud Powell - piano
Pierre Michelot - bass
Kenny Clarke - drums

Recorded on 15 December, 1961 at Studio Charlot, Paris, France.

Bud Powell / Ups'n Downs

商品解説から。「1972年リリース。パリに拠点を移していたバド・パウエルがニューヨークへ戻った64年後半から65年にかけての晩年の未発表セッションをコンパイル。65年にチャーリー・パーカー没後10周年に行われたメモリアル・コンサートで演奏した音源を含む貴重なバドの音源集」。

詳細な録音データが不明なアルバム。ベースは不詳で、ドラムもJ.C.モーゼスらしいが確かではない。唯一は、7曲目のラウンド・ミッドナイトで、1965年3月27日のカーネギーホールでのピアノソロ。パウエルのディスコグラフィーを見ると、データが明らかになっている最後の音源のようだ。その時のポスターを下記URLで見つけた。そして、パウエルは66年7月31日に41歳で他界。

http://birdparkerslegacy.com/carnegiehall/650327.html

1. Ups And Downs
2. Like Someone In Love
3. Earl's Impro
4. Thelonius
5. A Moment's Notice
6. Caravan Riffs
7. 'Round Midnight
8. Jazz Black And White
9. I Can't Believe You're In Love With Me
10. March To Paris
11. No Smokin'
12. I'm Always Chasing Rainbows

Bud Powell - piano
Unknown - bass (except track 7)
Unknown or J.C. Moses - drums (except track 7)

Recorded in 1965 - 1966.
Track 7: Recorded on March 27, 1965 at "Charlie Parker 10th Memorial Concert", Carnegie Hall, NYC.