一期一会。コルトレーンとセシル・テイラーの共演による録音は、このアルバムのみ。当初は、テイラー名義のアルバムHard Driving Jazzというタイトルで発売された。それが、タイトルを変えてコルトレーン名義になってしまった。そもそも、この二人を合わせたのは誰の仕業だったのか。
コルトレーンとテイラーという名前を聞けば、コテコテのフリージャズを思い浮かべる。しかし、1958年時点では、それぞれの個性は出ているものの、まだまだ不自由な演奏。つまり、自分を解放できる状態までは至っていない。だが、歴史的に見れば価値は非常に高い。なぜに続きの録音はなかったのか。答えは簡単。それぞれ自己を追い求めたから。ジャケットに写るコルトレーンの表情。「テイラーって男は凄い。アイツとセッションを繰り返してみたいけど、吸い取られる感じだな」。当時、コルトレーンは32歳。テイラーは25歳。二人の間に火花が散ったと想像したい。
1. Shifting Down
2. Just Friends
3. Like Someone In Love
4. Double Clutching
John Coltrane - tenor saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Cecil Taylor - piano
Chuck Israels - bass
Louis Hayes - drums
Recorded on October 13, 1958 in NYC.