CD帯から。「ゲイリー・バートンとキース・ジャレット。冒険心を持ちながらも、本質的にはロマンティストであるふたつの個性が見事な融和をみせている素晴らしいアルバムである。〈中略〉すべてのトラックがゆたかな詩情あふれるものばかりで、彼らのナイーブな音楽性にたっぷりと浸ることができる」。どうにもこうにも、安っぽいキャッチコピー。「冒険心」、「ロマンティスト」、「詩情」、「ナイーブ」という言葉を並べているだけで、全く本質に迫っていない。
二人のディスコグラフィーを見ると、共演したアルバムは本作のみ。タイトルは悩むことなく、二人の名前を連ねただけ。だが、その中身はロック、カントリー、ポップス、フリージャズ的な要素をぶちまけ、一発録りの「遊び」を試みている。70年代に突入し、未だに混沌としていたジャズシーンに一石を投じようとしたのではないだろうか。本作録音の1か月前、キースは、マイルスのフィルモア・イーストの4日連続ライブに参加。そこでのマイルスグループは、ロック連中の前座だった。キースは打開策の一つとして「ぶちまけ音楽」を思い付いたに違いない。
1. Grow Your Own
2. Moonchild / In Your Quiet Place
3. Como En Vietnam
4. Fortune Smiles
5. The Raven Speaks
Gary Burton - vibraphone
Keith Jarrett - piano, electric piano, soprano saxophone
Sam Brown - guitar
Steve Swallow - bass
Bill Goodwin - drums
Recorded on July 23, 1970 at A&R Studios, NYC.