Criss-Cross(十字模様)を表すジャケット。一方で、この言葉には「食い違い」「矛盾」という意味もある。タイトル曲Criss Crossはモンクの作品。この曲にモンクは、多少なりとも時代の「矛盾」を表現したかったのか? 5回のセッションを1つにまとめたアルバムで、スタンダード曲Tea For Twoと同日にCriss Crossを録音している。スタンダードとの組合せならば、深読みする必要はなさそうだ。
アルバムとしては、実によくまとまっていて、不満となる点はない。しかしながら、モンクだからこそ、その点が不満となってしまう。モンクファンが求めているのは、研ぎ澄まされた緊張感。もう一つのスタンダード曲Don't Blame Meはピアノソロ。この曲がもっとも緊張感に溢れているのは、プロデューサーのテオ・マセロにすると「食い違い」があったような気がする。
1. Hackensack
2. Tea For Two
3. Criss Cross
4. Eronel
5. Rhythm-A-Ning
6. Don't Blame Me
7. Think Of One
8. Crepuscule With Nellie
Charlie Rouse - tenor saxophone (except track 6)
Thelonious Monk - piano
John Ore - bass (except track 6)
Frankie Dunlop - drums (except track 6)
Tracks 1 & 5
Recorded on November 6, 1962 in NYC.
Tracks 2 & 3
Recorded on February 26, 1963 in NYC.
Tracks 4 & 6
Recorded on February 27, 1963 in NYC.
Track 7
Recorded on February 28, 1963 in NYC.
Track 8
Recorded on March 29, 1963 in NYC.