モンクのアルバムの中で最もユニークなジャケット。完全なる脇見運転。しかも、左手には火のついた煙草。ジャケットにthelonious monk septet with coleman hawkins, art blakey, gigi gryceとあるが、コルトレーンの名前はない。まだまだオマケみたいな存在だったことが分かる。演奏の中身も、これまたユニーク。というか間違いが多発。普通なら録り直しのはずだが、モンクは腹が減っていたのか、眠かったのか、とっとと終わらせたかったに違いない。それを許してしまったプロデューサーのオリン・キープニュースも太っ腹である。
ということで、これがモンクの音楽Monk's Musicというタイトルにしたことが、このアルバムの価値を妙に高めている。アドリブが入るタイミングの間違いなんて取るに足りないこと。ジャズとはそういうものだ。間違いではなく、そうしたかっただけで一件落着。学生時代のジャズ研の頃。「ベースのリズム、走っていないか?」「走りたいから…」。それで終わりである。「研究の進捗、遅れていないか?」「じっくりやりたいから…」。そんなもんである。
1. Abide With Me
2. Well, You Needn't
3. Ruby, My Dear
4. Off Minor [take 5]
5. Off Minor [take 4]
6. Epistrophy
7. Crepuscule With Nellie [take 6]
8. Crepuscule With Nellie [take 4 & 5]
Coleman Hawkins - tenor saxophone
John Coltrane - tenor saxophone
Gigi Gryce - alto saxophone
Ray Copeland - trumpet
Thelonious Monk - piano
Wilbur Ware - bass
Art Blakey - drums
Recorded on June 26, 1957 at Reeves Sound Studios, NYC.