意外にもと言うか、やっぱりと言ったほうがよいのだろう。チェット・ベイカーとジョニー・グリフィンの共演が残されたアルバムは、この1枚のみ。グリフィンは全7曲中の3曲のみの参加であるが、この二人の演奏スタイルは水と油といった感じ。プロデューサーのオリン・キープニュースは、この組み合わせで何を狙ったのか。
グリフィンのブロウに煽られて、ハードにトランペットを吹くベイカーを描いたような気がするのだが…。だとすれば、3曲とは言わず、全曲参加させるべきだった。しかも、ベイカーに気を遣ってかグリフィンは少し抑え気味に吹いている。ベイカーのディスコグラフィーを見ると、1957年末から活動の拠点をロスからニューヨークに移した。タイトルをIN NEW YORKと題したのは、ニューヨークでの人気の定着を図ろうとしたからに違いない。しかしながら、いま一つ中途半端な出来になってしまったようだ。
1. Fair Weather
2. Polka Dots And Moonbeams
3. Hotel 49
4. Solar
5. Blue Thoughts
6. When Lights Are Low
7. Soft Winds
Chet Baker - trumpet
Johnny Griffin - tenor saxophone (tracks 1,3,5)
Al Haig - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums
Recorded in September, 1958 at Reeves Sound Studios, NYC.