Gabor Szabo / Gypsy '66

CD帯には「鬼才ガボールと盟友たちが60年代に残した、時代の遥か先をゆくフュージョン・サウンド」とある。いや、どうだろうか。時代の先だなんて結果的な見方でしかなく、フュージョンという言葉さえ後付けである。さらに「ハンガリー出身の鬼才ギタリスト、ガボールがアメリカでの名声を決定づけた歴史的名盤。若き渡辺貞夫のフルート・プレイも味わえる」と付け加えている。いやいや、どうだろうか。歴史的ならば、このアルバムがきっかけでジャズに変革が起きたということだろう。

時代とか歴史ではなく、麻薬的ギターの出現であった。聴きたいけど聴くのが怖いギター。聴き手を決して縛り付けはしない。かといって、解放させてもくれない。ずっと宙に浮いたままだ。そのまま、放り投げられる感じ。タイトルの如く「ジプシー」。今となってはある種の差別用語。誤解を恐れずに言えば、根無し草。ガボールのギターは「浮草」のイメージなのだ。

1. Yesterday
2. The Last One To Be Loved
3. The Echo Of Love
4. Gypsy '66
5. Flea Market
6. Walk On By
7. If I Fell
8. Gypsy Jam
9. I'm All Smiles

Tracks 1, 2 & 3
Gabor Szabo - guitar
Barry Galbraith - guitar
Sadao Watanabe - flute
Gary McFarland - marimba
Al Stinson - bass
Grady Tate - drums
Willie Rodriguez - percussion

Tracks 4 - 9
Gabor Szabo - guitar
Barry Galbraith - guitar
Sam Brown - guitar
Sadao Watanabe - flute
Gary McFarland - marimba
Richard Davis - bass
Grady Tate - drums
Francisco Pozo - percussion

Recorded in November, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

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