Chick Corea / Return To Forever

今日は「海の日」。すぐに思い付いたのは、坂田明のアルバム『海』。しかし、2019年1月14日のブログですでに取り上げていた。次に思い付いたのが本アルバム。リアルタイムで聴いたことを覚えている。高校に入ったばかりで、まだジャズ喫茶通いはしていなかったが、江古田駅近くにあったロック喫茶(店名は忘れた)で最初に聴いた記憶がある。LPのライナーノーツは油井正一氏が担当。タイトルを「20年周期で展開するジャズの歴史」として、本アルバムが録音されるに至った経緯を述べている。以下は、その抜粋。

ポスト・フリーはまだ端緒を切ったばかりだが『ビチェズ・ブリュー』に参加したマイルスのサイドメンの多くがその重要な担い手となっていることを見逃すわけにはゆかない。チック・コリアもその一人だ。マイルスの許を離れてつくった『サークル』というクワルテットは、70年代のジャズを指向したというよりも、60年代を総括したラスト・グループという見方を私はとる。サークルは、フリージャズの余熱がさめやらぬヨーロッパでは好評を得たが、アメリカに戻った途端に解体を迫られた。

この新作『リターン・トゥ・フォーエヴァー』は、あまりにも耳に快適な作品であるため、コリアの前作に比して、よりコマーシャルづいた作品のように受けとる向きもあるかもしれぬ。それは絶対に誤りである。常に歌心を失わぬコリアの真骨頂がここにある。

1. Return To Forever
2. Crystal Silence
3. What Game Shall We Play Today
4. Sometime Ago - La Fiesta

Chick Corea - electric piano, Fender Rhodes
Joe Farrell - soprano saxophone, flute
Stanley Clarke - acoustic bass, electric bass
Airto Moreira - drums, percussion
Flora Purim - vocals, percussion

Recorded on February 2 & 3, 1972 at A&R Studios, NYC.

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