Charles Mingus / Mingus Ah Um

ミンガスの音楽は、間違いなくジャズである。しかし、このアルバムを聴くと、ジャズだなぁという前に、これこそミンガス・ミュージック!と思わず膝を叩いてしまう。ミンガスらしさがプンプン臭ってくるアルバムで、曲の構成もバランスが取れている。LPにはなかったラスト3曲がボーナストラックとして追加された。それだけではない。LPではテープにハサミが入っていたことが判明。

LP全9曲中の6曲。曲名の括弧内が収録時間で、前者がLP、後者がCDである。Goodbye Pork Pie Hat (4:48, 5:42), Boogie Stop Shuffle (3:43, 4:58), Open Letter To Duke (4:57, 5:49), Bird Calls (3:13, 6:17), Pussy Cat Dues (6:31, 9:12), Jelly Roll (4:02, 6:15) という結果。なんとBird Callsはほぼ半分に縮められていたのだ。繰り返し聴いてきたLPは、試聴盤だったと言っていい。

果たしてミンガスの承認を得てリリースされたのだろうか。プロデューサーはテオ・マセロ。マイルス自叙伝②で、マイルスはアルバムSomeday My Prince Will Comeについて、こう説明している。『プロデューサーのテオ・マセロは、「ポーギーとベス」や「スケッチ・オブ・スペイン」辺りから、テープを切ったりつないだりして編集するようになっていたが、このレコードも、そうやって作ったんだ』。「ポーギーとベス」の録音は1958年7月から8月。本作は59年5月。Someday ...は61年3月。マセロはプロデューサーというより、紙切り師である。

1. Better Git Hit In Your Soul
2. Goodbye Pork Pie Hat
3. Boogie Stop Shuffle
4. Self-Portrait In Three Colors
5. Open Letter To Duke
6. Bird Calls
7. Fables Of Faubus
8. Pussy Cat Dues
9. Jelly Roll
10. Pedal Point Blues
11. GG Train
12. Girl Of My Dreams

Tracks 1, 6 - 10
Booker Ervin - tenor saxophone
Curtis Porter - tenor saxophone, alto saxophone
John Handy - alto saxophone, clarinet
Jimmy Knepper - trombone
Horace Parlan - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums
Recorded on May 5, 1959 at Columbia 30th Street Studio, NYC.

Tracks 2 - 5, 11 & 12
Booker Ervin - tenor saxophone
Curtis Porter - tenor saxophone, alto saxophone
John Handy - alto saxophone, clarinet
Willie Dennis - trombone
Horace Parlan - piano
Charles Mingus - bass
Dannie Richmond - drums
Recorded on May 12, 1959 at Columbia 30th Street Studio, NYC.

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