Kindle読み放題で、原田和典氏の著書『世界最高のジャズ』を見つけた。その中で紹介されていたのが本作。5年余りをパリで過ごしたバド・パウエルが、ニューヨークに戻る直前にフランスの避暑地で録音したプライベート音源。原田氏は次のように書いている。
「パウエルにジョニー・グリフィンが真正面からぶつかり、技の応酬を聴かせてくれる。あきらかにパウエルがグリフィンに刺激され、彼のチョップを受け、それを切替えしているのがかわる。そりゃあ、このパウエルに40年代の機銃掃射のような音使いはもはや、ない。だがこの気迫を前にすると、運指の乱れなどを言及するのは愚の骨頂に思えてくる。モンクの曲を舞台に、パウエルとグリフィンが果てしなく燃え上がる〈ストレート・ノー・チェイサー〉1曲で、このアルバムは”買い”だ」。まさしく同感。しかし、グリフィンは全7曲中の3曲のみに参加なので、チョップの連打ではない。
1. Straight, No Chaser
2. Salt Peanuts
3. Move
4. Bean And The Boys
5. Wee
6. 52nd Street
7. Hot House
Johnny Griffin - tenor saxophone (tracks 1,5,7)
Bud Powell - piano
Guy Hayat - bass
Jacques Gervais - drums
Recorded on August 8-14, 1964 at "Hotel-Restaurant La Belle Escale", Edenville, France.