このライブ演奏の3日前に、全く同じメンバーで映画音楽『死刑台のエレベータ』をパリで録音している。その当時の事はマイルス自叙伝①でこう書かれている。「映画音楽をやっている間にも、ケニー・クラークのドラムス、ピエール・ミシュロのベース、バルネ・ウィランのサックス、ルネ・ウルトルジュのピアノというグループで『クラブ・サンジェルマン』で演奏した。音楽そのものがすべてを伝えると思っていたから、フランスでも曲の紹介やらアナウンスは一切やらなかった。それで、フランスの批評家連中が怒ったことは、よく覚えている。オレが、傲慢にあしらっていると受け取ったようだ」。
即興のコンボであることは間違いないが、セッションを繰り返していたことがわかる。そして、本作のコンサートに関しては、残念ながらマイルスは触れていない。アムステルダムの観客にもアナウンス無しで演奏したのだろう。かなり緊張したと想像できる映画音楽の録音を終えてのアムステルダムでのライブ演奏。「楽しんでやろうぜ」と舞台に上がったに違いない。
1. Woody'n You
2. Bags' Groove
3. What's New
4. But Not For Me
5. A Night In Tunisia
6. Four
7. Walkin'
8. Well, You Needn't
9. 'Round Midnight
10. Lady Bird
Miles Davis - trumpet
Barney Wilen - tenor saxophone
Rene Urtreger - piano
Pierre Michelot - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on December 8, 1957 at Concertgebouw, Amsterdam, Holland.