Herbie Hancock / The Piano

ハンコックのピアノソロを想像するのは難しい。モンクやキースには、他を寄せ付けない「独自の味」がある。ところが、ハンコックやコリア、そしてマッコイなどはグループ・パフォーマンスでの「塩コショウの味」なのである。つまり、鍵盤での一瞬の表現で勝負できるプレイヤーではないということ。別にそれはいい悪いではない。ハンコック自身は、そんなことは十分に承知していて、このアルバムにはスタンダード曲と自作曲を配置した。つまり、勝負は後半にあったのだ。

だが、それも失敗。ソロで自分を表現するという意欲が全く感じられない。ハンコックが東京信濃町のソニー・スタジオで、一人ピアノに向かっている姿は不自由な感じ。それを実現できたのは、当時のジャパン・マネーだったのだろう。ましてや、Wikipediaによると、別テイクを加えたCDが2004年にリリースされている。ダイレクト・カッティングのアルバムだったのに、別テイクがあることで、ハンコックが片手間で作ったアルバムだったことを露呈してしまったのだ。

1. My Funny Valentine
2. On Green Dolphin Street
3. Some Day My Prince Will Come
4. Harvest Time
5. Sonrisa
6. Manhattan Island
7. Blue Otani

Herbie Hancock - acoustic piano

Recorded on October 25 & 26, 1978 at CBS Studios, Tokyo.

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