国内盤CDのライナーノーツには、ロン・カーターによる1999年7月付けの解説を掲載している。エリック・ドルフィーと何度も共演してきただけに非常に鋭い指摘である。
「これまで発展しつづけてきたエリックのハーモニック・スタイルは、このうえないほどの冒険心を感じさせる。〈朝日のようにさわやかに〉は、その最たる例だろう。コード・チェンジの束縛を逃れたエリックのプレイは、円熟味にあふれ、曲に新たな力強さを加えている。それでいながら、われわれがなれ親しんでいるこの曲のオリジナル・コード進行のイメージをこわしていない。ハービー・ハンコックもエリックにピタリとついていく一方で、適格なタイミングでそれぞれのコード音を打ち出している」。
所有する全アルバムから〈朝日のようにさわやかに〉を抽出した。トラック数は37もあって、ジャズプレイヤーに好まれている証拠。自分も学生の頃によく演奏した。その中で、20分を超える演奏(20分18秒)は、このアルバムだけ。次が森山威男のアルバムFlush Upに収録された14分59秒。こちらは、新宿ピットインでのライブ演奏。長ければ良いという話ではなく、観客の前でイマジネーションを際限なく膨らませていったことに価値があるのだ。
1. Softly, As In A Morning Sunrise
2. Something Sweet, Something Tender
3. God Bless The Child
4. South Street Exit
5. Iron Man
6. Red Planet
7. G.W.
Eric Dolphy - flute, bass clarinet, alto saxophone
Eddie Khan - bass (except track 3)
Herbie Hancock - piano (except track 3)
J.C. Moses - drums (except track 3)
The University Of Illinois Brass Ensemble (track 6)
The University Of Illinois Big Band (track 7)
Recorded on March 10, 1963 at University Of Illinois, Champaign, IL.