日野皓正 / Live In Concert

CD帯からの抜粋。『75年、日野の渡米直前に行われた「さよならコンサート」の実況録音盤。渡辺貞夫、富樫雅彦、板橋文夫ら錚々たるメンバーが参加』。確かに、当時の日本のトッププレイヤーが参加したライブである。70年代半ばのジャズが置かれていた状況も反映されている。インタープレイよりも、リズムと音の厚みを重視。

ラストの「ラウンド・ミッドナイト」はアンコール曲。ヒノテルと杉本喜代志のデュオ。いや、ほとんどがヒノテルのソロ。ライブとしては、余韻を残して終了したのだろうが、ライブを伝えるアルバムとしては、後味が悪い。ヒノテルを送り出すコンサートだったのに、なんとなく幕を閉じる感じ。最後は花火を打ち上げるような演奏で閉めて欲しかった。

1. Logical Mystery
2. In The Darkness
3. 'Round Midnight

日野晧正 - trumpet, flugelhorn
宮田英夫 - tenor saxophone
渡辺貞夫 - alto saxophone
向井滋春 - trombone
杉本喜代志 - guitar
板橋文夫 - piano
岡田勉 - bass
岡沢章 - bass
日野元彦 - drums
富樫雅彦 - percussion
今村祐司 - conga

Recorded on April 14, 1975 at 東京・郵便貯金ホール.

日野元彦 / 流氷

2010年7月後半、青春18きっぷで10日間余りの北海道一人旅。25日は根室のジャズ喫茶『サテンドール』へ。午後1時過ぎに入って珈琲を飲んだ。その晩、今度はビールを飲みに再訪問。数名の地元のお客さんが出て行った後、マスターの谷内田さんと二人でジャズ談義。そして、閉店前にリクエストしたのが、このアルバム。1976年2月7日、日野元彦カルテット+1(プラス1は山口真文)によるライブが根室市民会館で行われた。主催したのは、ネムロ・ホット・ジャズ・クラブ。そして、サテンドールのマスターは、クラブの事務局長(当時)。

LPは持っていたが、ようやくCDを購入することができた。2曲追加されている。そして、CDを聴きながら『サテンドール』へ来年は行こうかと思いネットで調べたら、昨年から店主が替わっていた。高齢のため、引き継いでくれる人を全国から募集したそうだ。20人以上の応募があり、世田谷に住む当時62歳(自分と同じ年齢!)の方に決定。ご夫婦で根室に移住したそうである。この応募を知っていたら、間違いなく申し込んだのだが・・・。学生時代に何度も聴いた『流氷』。逃がした氷は大きい。

1. 流氷
2. Soultrane
3. Rio Rome
4. Milky Shade
5. New Moon

山口真文 - tenor saxophone
清水靖晃 - tenor saxophone, soprano saxophone
渡辺香津美 - guitar
井野信義 - bass
日野元彦 - drums

録音 1976年2月7日 / 根室市民会館

日野元彦 / TOKO

トコこと日野元彦は、1975年7月20日の『ネム・ジャズ・イン』のライブで何を表現したかったのだろう。3曲収録されているが、どれも似たり寄ったりの曲想で主張を感じない。ましてや、16ビートを基調としていて、鈴木勲のウッドベースでは場面展開は無理なのだ。ライブのオファーがあったから、やっつけでやったに過ぎないと感じてしまう。

ライナーノーツはルーペで見ても読めない大きさ。1,500円での再発だったが、プラス100円で読めるライナーノーツを入れて欲しかった。発売元のキングレコードの資質の問題である。やっつけで制作した感じだ(その後、カメラで撮影して画像を拡大したところ、午前3時、7番目に日野グループは登場したと行田よしお氏が書いていた)。その半年後の76年2月7日、ネムではなく根室でトコは見事なパフォーマンスを見せた。それが名盤『流氷』である。

1. You Make Me So Sad
2. Olive's Step
3. Endless Way

渡辺香津美 - electric guitar
益田幹夫 - keyboards, organ
鈴木勲 - bass
日野元彦 - drums

Recorded on July 20, 1975 at Nemu no Sato.