元岡一英 / I'll Remember April

7月17日朝、橋本信二さん永眠。繊細で、しかも暖かみのあるギターを弾いてきた橋本さん。本拠地・高田馬場のGate Oneでは目の前で彼のギターに酔いしれたこともあった。「どう?」と聞いてくれて「いやぁ、いいですねぇ」と会話したことを覚えている。2016年8月3日の出来事。

その2ヵ月前の6月12日(日)午後。町田Nica'sで元岡&橋本のライブを聴いた後に、デュオのアルバムを購入。お二人からサインをいただいた。もう4年前のことだ。合掌。

1. I'll Remember April
2. I Wish I Knew
3. Two For The Road
4. Blue Minor
5. 合流注意
6. Calypso
7. Moonlight In Vermont
8. Stella By Starlight
9. Love Letters
10. Ugly Beauty
11. Gate One'n Nica's Blues
12. In My Life
13. Daydream
14. As A Bird

元岡一英 - piano
橋本信二 - guitar
小杉敏 - bass (tracks 3,10,11)

Recorded in Early Spring (May) 2015 at Sound City Studio, Tokyo.

国仲勝男 / 暖流

国仲勝男。山下洋輔が沖縄から発掘したベーシスト。「地の底から鳴り響く」とは少し言い過ぎかもしれないが、弦楽器であるベースを打楽器として、つまり右手の人差し指で弦を叩き鳴らすベーシストだった。「だった」というのは、洋輔との出会いの後、1981年2月録音の洋輔名義のアルバム『寿限無 Vol.1』の参加といくつかのライブ出演を最後に、故郷の沖縄宮古島に戻ってしまったから。

暖流である黒潮(日本海流)に乗って沖縄からやってきた国仲。洋輔とのセッションを繰り返し、十分に洋輔流ジャズを吸収できたと判断したのか。それとも、東京の水が合わなかったのか。「喰う寝る処ところに住む処ところ」は、やはり沖縄だと悟ったのだろう。

1. Umbrella Dance
2. Goodbye Prok Pie Hat
3. Bags Groove
4. Uganjo
5. Ca'purange
6. Nurna - Conter-Clockwise Trip

国仲勝男 - bass
山下洋輔 - electric piano (tracks 1,2), piano (track 3)
武田和命 - tenor saxophone (track 3)
小山彰太 - drums (tracks 1,3,6)
佐山雅弘 - piano (tracks 5,6)
坂田明 - alto saxophone (track 6)
清水靖晃 - tenor saxophone (track 5)
向井滋春 - trombone (track 5)
粉川忠載 - trombone (track 6)
古沢良治朗 - drums (track 5)

録音 1979年5月8, 9日 / オンキョー・ハウス・スタジオ

鼓童 / Gathering

「鼓童はジャズなのか?」と問われると、Yesとは答え難い。しかしながら、山下洋輔と日野皓正が参加しているので、このアルバムに関してはジャズ的と言っていいだろう。だが、このライブは少し無理があったと思う。鼓童の太鼓に洋輔は柔軟に対応する。だが、洋輔のピアノに鼓童は対応することができない。それは「一対多」という構図のため。観客は、非常に盛り上がっているものの、冷静に音源を聴くと、決めたシナリオ通りということが分かる。

鼓童がジャズミュージシャンの洋輔と皓正を巻き込んで、新たなアプローチを、というのは理解できるが、結局のところ、真剣勝負の場面は現れてこないのだ。詳しく調べていないものの、鼓童とジャズプレイヤーとのコラボレーションは、この後には行われていないようである。なので、鼓童はジャズではないのだ。

1. 眠りのライオン
2. 族
3. 海流
4. LION
5. 月の精
6. Island Fantasia
7. Never Alone
8. 彩

鼓童
日野皓正- trumpet (tracks 3,4,6-8)
山下洋輔 - piano (tracks 2,3,5,7,8)
Lecie Wright - vocals (tracks 1,7,8)

Recorded on July 24, 1991 at Shibuya Orchard Hall, Tokyo.