吉田拓郎 / よしだたくろう 1971-1975

アルバムTHE BEST PENNY LANEとかなり重複していると思っていたが、全26曲11曲のみだった。以下の15曲は、括弧内のアルバムに収録(元気:「元気です。」、伽:「伽草子」、今は:「今はまだ人生を語らず」、未:「未収録」の略)。アルバム未収録の「金曜日の朝」、そして廃盤状態のアルバム「今はまだ人生を語らず」から4曲、しかもその中に「ペニーレインでバーボン」が挿入されていることが、このベストアルバムの価値を高めている。

◆Side A:こっちを向いてくれ(元気)/親切(元気)
◆Side B:伽草子(伽)/夏休み(元気)/暑中見舞い(伽)/金曜日の朝(未)/ガラスの言葉(元気)
◆Side C:ひらひら(LIVE '73)/野の仏(LIVE '73)/君去りし後(LIVE '73)/風邪(伽草子)
◆Side D:ペニーレインでバーボン(今は)/知識(今は)/暮らし(今は)/戻ってきた恋人(今は)

Side A
1. 旅の宿
2. 春だったね
3. こっちを向いてくれ
4. 親切
5. 祭りのあと
6. たどり着いたらいつも雨ふり

Side B
1. 伽草子
2. 夏休み
3. 暑中見舞い
4. せんこう花火
5. 金曜日の朝
6. ガラスの言葉
7. ビートルズが教えてくれた

Side C
1. おきざりにした悲しみは
2. 落陽
3. ひらひら
4. 野の仏
5. 君去りし後
6. 風邪
7. シンシア

Side D
1. ペニーレインでバーボン
2. 人生を語らず
3. 知識
4. 暮らし
5. 戻ってきた恋人
6. 襟裳岬

吉田拓郎 / 吉田拓郎ライブ コンサート・イン・つま恋'75

無事に3年で高校を卒業し、予定通り予備校に通いだした1975年。ジャズに傾き始めた頃ではあったものの、このライブを聴きに行く余裕はさすがになかった。夏期講習で、四ツ谷駅から駿台予備校へ行く道は暑かった。このライブアルバムでの「人間なんて」は8分10秒。ライナーノーツによると、3日の朝4時40分から歌い始めたようだ。

1. 僕の唄はサヨナラだけ(リハーサル)
2. あゝ青春
3. 春だったね
4. 今日までそして明日から
5. 夏休み
6. 襟裳岬
7. 三軒目の店ごと
8. されど私の人生
9. 君去りし後
10. 落陽
11. 人間なんて

録音 1975年8月2 & 3日 / 静岡県掛川市ヤマハリゾートつま恋
発売 2012年9月19日

吉田拓郎 / 伽草子

吉田拓郎の金沢事件があったのは1973年5月23日。その時、都立大泉高校の2年生だった。その晩、風呂から出たら、NHKのニュースで速報が流れていた。「フォークシンガーの吉田拓郎が婦女暴行で逮捕されました」と。母がそれを見て、「あぁ、やっぱりね」と言ったことを今でも忘れられない。当時、若者のオピニオンリーダーとしてフォークシンガーが台頭し、ラジオの深夜放送を通じて新たな文化が創られてきた。それを受け止めた若者に対して、親達は一種の嫌悪感があったのだろう。

そんなことがあってから47年。時代は変わった。フォークに限らず、音楽が持っていたポテンシャルは徐々に低下してきた。しかしながら、10代後半から20代前半に聴いた音楽は、脳の奥まで浸透している。このアルバムから、いまでも心を揺さぶられる曲は「ビートルズが教えてくれた」と「制服」。どちらも岡本おさみの詩なのである。

1. からっ風のブルース
2. 伽草子
3. 蒼い夏
4. 風邪
5. 長い雨の後に
6. 春の風が吹いていたら
7. 暑中見舞い
8. ビートルズが教えてくれた
9. 制服
10. 話してはいけない
11. 夕立ち
12. 新しい朝

発売 1973年6月1日