Zoot Sims / Zoot Sims Meets Jimmy Rowles - If I'm Lucky

アルバムタイトルからピアニストのジミー・ロウルズに焦点を当てたアルバムかと思ったが、そうではない。では、ロウルズとはどんなジャズプレイヤーなのか。Wikipediaで調べると、30枚以上の自分名義のアルバムを出している。また、1976年版スイングジャーナル『世界ジャズ人名辞典』によると、独学でピアノを習得してプロの道へ入ったが、その後、2度の従軍生活があったらしい。そういう経歴もあってだろう、日本では無名に近い。1928年8月19日生まれで、1996年5月28日に77歳で他界している。

タイトルからはズート・シムズとロウルズとの初共演と思えてしまうが、74年4月録音のアルバムZoot Sims' Partyが最初である。それから本作まではアルバムでの共演がなかったので、3年半振りのMeetsということなのだろう。決して互いの個性のぶつかり合いではなく、寄り添う形で演奏が流れていく。その流れに身を任せてゆったりと聴くアルバム。

1. (I Wonder) Where Our Love Has Gone
2. Legs
3. If I'm Lucky
4. Shadow Waltz
5. You're My Everything
6. It's All Right With Me
7. Gypsy Sweetheart
8. I Hear A Rhapsody

Zoot Sims - tenor saxophone
Jimmy Rowles - piano
George Mraz - bass
Mousie Alexander - drums

Recorded on October 27 & 28, 1977 at RCA Recording Studios, NYC.

Zoot Sims / In Copenhagen

ズート・シムズ59歳、ケニー・ドリュー64歳、ニールス・ペデルセン58歳、エド・シグペン78歳。このコペンハーゲンでのライブの時のメンバーの年齢ではない。それぞれの享年を示している。シグペンを除いた3人は、50代から60代に掛けて惜しくもこの世を去った。そんなことを考えながら、44年前の演奏に酔いしれている。

シムズのディスコグラフィーを調べると、1978年8月24日、ジャズクラブSlukefterでのライブアルバムは、レーベルStoryville(本作)とレーベルMobile Fidelityに分散されてリリースされている。後者はZoot Sims With The Kenny Drew Trio - Zoot Sims In Copenhagenというタイトルで、CaravanやSoftly, As In A Morning Sunriseなどを収録。ただし、廃盤状態。なぜに2つのレーベルに分散されてしまったのか。そもそも、2つのレーベルからの最初のリリースは1995年。シムズが他界してから10年後のこと。この素晴らしいライブ音源を20年近く眠らせていた訳である。

1. Groovin' High
2. Too Close For Comfort
3. All The things You Are
4. In The Middle Of A Kiss
5. I'll Remember April
6. It's All Right With Me
7. The Very Thought Of You
8. Blue Hodge
9. Morning Fun

Zoot Sims - tenor saxophone, soprano saxophone
Kenny Drew - piano
Niels-Henning Ørsted Pedersen - bass
Ed Thigpen - drums

Recorded on August 24, 1978 live at Jazzhouse Slukefter, Tivoli Gardens, Copenhagen.

Zoot Sims / Waiting Game

何となく購入してしまったアルバム。ズート・シムズが、ストリングス・オーケストラをバックにテナーサックスを吹いている、というアンバランスな感じを聴きたかった。ところが、実にバランスよく決まっているのだ。変わることで評価されるのがジャズミュージシャン。それに対し、変わらないことで評価される一人がズートと思っていた。だけど、ズートも少しは冒険した訳だ。

オーケストラには楽譜が用意されていて、自由度はほとんどないだろう。その不自由さの中で、いかに自分を表現するかは極めて難しい。自分が吹いた一音に誰も反応してくれないのだ。自分が投げたフォークボールにも、キャッチャーミットは位置を変えない。キャッチャーはゲームの進行を待っているだけ ― Waiting Game。

1. Old Folks
2. I Wish I Knew
3. Once We Loved
4. It's A Blue World
5. September Song
6. Over The Rainbow
7. Stella By Starlight
8. One I Could Have Loved
9. You Go To My Head
10. Does The Sun Really Shine On The Moon?

Tracks 1 - 5 & 8 - 10
Zoot Sims - tenor saxophone, vocals
Gary McFarland - arranger
Jack Parnell - conductor
Unknown Orchestra
Recorded on November 28, 1966 in London.

Tracks 6 & 7
Zoot Sims - tenor saxophone, vocals
Gary McFarland - arranger
Kenny Napper - conductor
Unknown Orchestra
Recorded on November 30, 1966 in London.