Weather Report / I Sing The Body Electric

司会いソノてルヲの「約10分ほど休憩いたします」で終わるアルバム。1971年11月から72年1月までのスタジオ録音をLPのA面に、そして72年1月13日の渋谷公会堂でのライブ演奏(ただし、編集して圧縮)をB面に配置した。アメリカでは3月26日にリリース。つまり、スタジオだけでなくライブでも最高のパフォーマンスを演じるグループであることをレコード会社は早く示したかったのだ。そのために、司会者の声を入れて臨場感を出したということ。どうせアメリカ人に日本語は通じないと思ったのだろう。

ところが、日本では1月13日のライブアルバムLive In Tokyoが無編集の形で、I Sing The Body Electricより先に発売。やがて、Live In Tokyoはアメリカでもリリース。結局のところ、I Sing ... は前半4曲しか価値がないことになってしまったのである。いソノの10分休憩発言を除いて。

1. Unknown Soldier
2. The Moors
3. Crystal
4. Second Sunday In August
5. Medley: Vertical Invader / T.H. / Dr. Honoris Causa
6. Surucucu
7. Directions

Wayne Shorter - saxophones
Josef Zawinul - electric and acoustic piano, synthesizer
Miroslav Vitous - bass
Eric Gravatt - drums
Dom Um Romao - percussion

Tracks 1 & 2
- Track 1 plus ... Hubert Laws - flute / Andrew White - English horn / Wilmer Wise - D and piccolo trumpet / Yolande Bavan, Joshie Armstrong, Chapman Roberts - voice
- Track 2 plus ... Ralph Towner - 12 string guitar
Recorded on November 1971.

Tracks 3 & 4
Recorded on January 1972.

Tracks 5, 6 & 7
Recorded on January 13, 1972 (edited on Album "Live In Tokyo").

Weather Report / Weather Report

ウェザー・リポートの第1作。ジャズと捉えていいのか。フュージョンという言葉を持ち出してしまったら、逃げたことと同様だ。思い付いたのは、「空間」という言葉。空間を表現する音楽。空(そら)の間(あいだ)なので、気象情報=Weather Reportなのかもしれない。

本作がリリースされてちょうど50年。初めて聴いたのはジャズ研時代、吉祥寺のジャズ喫茶A&Fだったような気がする。LPのA面を回していたと思うが、聴き終わって不思議な感覚になった。誰かが演奏しているのではなく、楽器が勝手に鳴っている感じ。Weather Reportという機械が創り上げた音楽。最初の印象である。

1. Milky Way
2. Umbrellas
3. Seventh Arrow
4. Orange Lady
5. Morning Lake
6. Waterfall
7. Tears
8. Eurydice

Wayne Shorter - tenor saxophone, soprano saxophone
Joe Zawinul - electric piano, acoustic piano
Miroslav Vitous - electric bass, acoustic bass
Alphonse Mouzon - drums, voice
Airto Moreira - percussion
Barbara Burton - percussion
Don Alias - percussion

Recorded on February 16 - 22 and March 17, 1971.

Wayne Shorter / Odyssey Of Iska

1969年8月にマイルスグループから独立してアルバムSuper Nova、71年2月にはアルバムWeather Reportを録音。その中間に位置するのが本作。ウェイン・ショーター自身にとって、ウェザー・リポートの原点となったとも言える。曲目を敢えて日本語で表すと、「風」、「嵐」、「無風」、「空虚」、「歓喜」。この頃のショーターの内面が伝わってくる。

CD帯から。「ジャズ界最後のカリスマが70年代のブルーノートに残した最後の作品。ウェザー・リポート結成前年に完成させた壮大な叙事詩。サックス、マリンバ、ツイン・ドラム、ツイン・ベースらが織りなすマジカルな音世界」。確かにマジカルかも知れないが、ドラムとベースをツインにした理由が分からない。ましてや、ベーシストは、それぞれ独自のスタイルを持っているロン・カーターとセシル・マクビー。ショーターの狙いが、いま一つ定まっていない感じがするのだ。

1. Wind
2. Storm
3. Calm
4. De Pois Do Amor, O Vazio (After Love, Emptiness)
5. Joy

Wayne Shorter - tenor saxophone, soprano saxophone
David Friedman - vibraphone, marimba
Gene Bertoncini - guitar
Ron Carter - bass
Cecil McBee - bass
Billy Hart - drums
Alphonse Mouzon - drums
Frank Cuomo - drums, percussion

Recorded on August 26, 1970 at A&R Studios, NYC.