Thelonious Monk / Thelonious Alone In San Francisco

タイトルとジャケットから容易に分かるように、サンフランシスコで録音されたソロアルバム。モンクのディスコグラフィーにはlive in San Franciscoと書いてある。ところが、拍手などは全く無く、モンクはまさしくAloneなのだ。不思議に思い、ジャケット裏の英文解説(筆者不明)と本アルバムのWikipediaを読んだところ、真相が見えて来た。

まず、録音会場はFugazi Hallという詩の朗読などで使われていた音響的に良い場所であることがわかった。さらに、そのホールでの録音と並行して、サンフランシスコのジャズクラブ・ブラックホークでのモンクのカルテットによるライブ演奏が組み込まれていたことが判明。プロデューサーであるオリン・キープニュースが、ライブの合間にソロの録音を企てたのだ。だが、ブラックホークの演奏は残っていないし、正確なメンバーも不明。モンクにとっては、息抜きで録音したピアノソロ。キープニュースは、一曲だけを除いてワン・テイクでOKを出した。録り直したのがThere's Danger In Your Eyes, Cherieのみで、CDには最初のテイクが追加された。つまり、演奏はAloneだが、キープニュースとの二人芝居。

1. Blue Monk
2. Ruby, My Dear
3. Round Lights
4. Everything Happens To Me
5. You Took The Words Right Out Of My Heart
6. Bluehawk
7. Pannonica
8. Remember
9. There's Danger In Your Eyes, Cherie [take 2]
10. Reflections
11. There's Danger In Your Eyes, Cherie [take 1]

Thelonious Monk - piano

Tracks 1 - 4, 7, 9 & 11
Recorded on October 20, 1959 at Fugazi Hall, San Francisco, CA.

Tracks 5, 6, 8 & 10
Recorded on October 21, 1959 at Fugazi Hall, San Francisco, CA.

Thelonious Monk / Five By Monk By Five

2012年12月4日付けのブログ「日々JAZZ」で、このアルバムについてこう書いた。「今夜、初めて発見した。このアルバムのタイトル。5曲を5人のメンバーでということだ!」。改めてWikipediaで調べたら、同じことが書いてあった。ちょっとがっかり。ところがである。CD化されてPlayed Twiceの別テイク2曲が加わってしまった。アルバムのコンセプトをぶち壊すような行為だが、CDなので気に入らなければスキップしろと言うことなのだろう。ちなみに、寄せ集めアルバムBlues Five Spotにはtake 1が、同様のアルバム'Round Midnightには、take 2が収められている。つまり、個人的には不要なトラックである。

さて、このアルバムで重要な存在はサド・ジョーンズ。モンクの曲をしっかりと解釈しアドリブを展開する。バックでモンクのピアノが入り込んできても、ガードが非常に固く自分のペースを守り切っている。そのためか、アルバム全体がカチッと整った印象を与える。まぁ、5x5なので整った構造なのだ。

1. Jackie-Ing
2. Straight, No Chaser
3. Played Twice [take 3]
4. Played Twice [take 1]
5. Played Twice [take 2]
6. I Mean You
7. Ask Me Now

Charlie Rouse - tenor saxophone
Thad Jones - cornet
Thelonious Monk - piano
Sam Jones - bass
Art Taylor - drums

Recorded on June 1, 2 & 4, 1959 in NYC.

Thelonious Monk / The Thelonious Monk Orchestra At Town Hall

今日は13日の金曜日。モンクの作品Friday The 13thが収録されている本アルバムを思い出した。タイトルはオーケストラなのだが、弦楽器はウッドベースだけ。管弦楽とはいい難い。フロント7管のテンテットである。タウンホールに足を運んだ人は、オーケストラを期待していたのだろうか。一曲毎に拍手が沸き起こるので、コンサートはテンテット、もしくはビッグバンドという案内だったはず。

演奏曲目はすべてモンクの作品。作曲家でありジャズピアニストのHall Overton(ホール・オーバートン)とモンクがアレンジを担当している。モンクが同業者にアレンジの協力を依頼したということは、このコンサートに相当な力を注いでいたことが分かる。ただ、不思議なのはアンコールでLittle Rootie Tootieを再度演奏していること。それでもアンコールの拍手が鳴り止まない。同じ曲を何度もできないので、フロントはCharlie Rouse(チャーリー・ラウズ)のテナーサックスだけにして、それに続くIn Walked Bud, Blue Monk, Rhythm-A-Ningの3曲は、カルテットで応えたのではないだろうか。

1. Thelonious
2. Friday The 13th
3. Monk's Mood
4. Little Rootie Tootie
5. Off Minor
6. Crepuscule With Nellie
7. Little Rootie Tootie [encore]
8. In Walked Bud
9. Blue Monk
10. Rhythm-A-Ning

Charlie Rouse - tenor saxophone
Phil Woods - alto saxophone
Pepper Adams - baritone saxophone
Donald Byrd - trumpet
Eddie Bert - trombone
Robert Northern - French horn
Jay McAllister - tuba
Thelonious Monk - piano
Sam Jones - bass
Art Taylor - drums

Recorded on February 28, 1959 at The Town Hall, NYC.