高田渡 / タカダワタル的

DVDパッケージから。『伝説のフォークシンガー高田渡。彼の孤高の音楽性とは裏腹に、周りにはいつも沢山の人達が溢れ、笑い声が絶えない。そんな高田渡の魅惑的な世界を記録したドキュメンタリー音楽映画が「タカダワタル的」である。ギターを抱え全国を歩き回り、代表曲として親しまれた「生活の柄」など名演奏の数々を収録。一方で彼の住む吉祥寺の生活に完全密着。馴染みの〈いせや〉で一杯飲み、井の頭公園の桜を眺め、自宅で酔いつぶれるまでの貴重な姿を記録した』。

2枚のDVDで約3時間。たっぷりと高田渡の世界に浸れる。自分として一番興味深いのは、2003年5月4日の大阪・春一番コンサートに坂田明が参加し、「生活の柄」を歌う渡のバックでアルトサックスを吹く映像。戸井十月の著書「道、果てるまで」で戸井と坂田、本DVDで高田と坂田の間につながりがあったことを発見。戸井さん、坂田さんとは直接話をしたことがあったが、渡とはそういう機会に恵まれることはなかった。そして、2005年4月に逝ってしまった。

Disc 1
1. ごあいさつ
2. 仕事さがし
3. ねこのねごと
4. 鎮静剤
5. 酒心
6. 値上げ
7. 魚つりブルース
8. 69
9. 生活の柄
10. ブラザー軒
11. 私の青空

Disc 2
1. アイスクリーム
2. スキンシップ・ブルース
3. あきらめ節
4. アフリカの月
5. ウイスキーの小瓶
6. 君に捧げるほろ苦いブルース
7. ヨイトマケの歌
8. 相子
9. 向日葵
10. トンネルの唄
11. 夕暮れ
12. ミケランジェロ
13. くつが一足あったなら

発売 2005年6月24日

高田渡 / 高田渡トリビュート

ジャケットがイカしている。表はかつての吉祥寺の『いせや』、裏は井之頭公園。ジャケットはブックレットになっていて、参加したミュージシャンのコメントが掲載されている。最後は高田渡自身のコメント。「病気のくり返しなのに、反省していない。そんな僕に、僕が想っているだけかもしれないがとてもステキな友人がいる。そんな友人達がトリビュートをつくってくれた。本当にうれしく思っている。まだ僕は元気なのだが・・・元気でいます。死ぬまで生きます」。

このアルバムが発売されたのは2004年10月15日。翌年4月16日、渡は56歳で他界。死ぬまで生きた渡がホームグラウンドにしていた『いせや』。ウェブサイトを見に行ったら、やはりアルコールの提供は中止になっていた。天国にいる渡は、ぽつりと呟いているだろう。「コロナが逃げ出すような強い酒はないのかい?」

1. 長屋の路地に / 斉藤哲夫
2. コーヒーブルース / 村上律
3. ヘイ・ヘイ・ブルース / 大庭珍太
4. すかんぽ / なぎら健壱
5. スキンシップ・ブルース / 柄本明
6. 系図 / 中川五郎
7. ブラブラ節 / シバ
8. 私は私よ / アーリータイムスストリングスバンド
9. ボロ・ボロ / 中川イサト
10. 酒が飲みたい夜は / 佐久間順平
11. 風 / いとうたかお
12. ブラザー軒 / 佐藤GWAN博
13. 祭(フィエスタ) / 山崎ハコ
14. 夕暮れ / 大塚まさじ
15. 調査節 / 高田渡

発売 2004年10月15日

高田渡 / 27/03/03

このアルバムは次のように紹介されている。『2003年3月27日に、NHK-FMの人気音楽番組「LIVE BEAT」用に公開録音された音源をほぼノーカットで収録した本作は、高田親子2人だけによるライブを記録した貴重な作品』。高田渡が亡くなったのは2005年4月16日(享年56)。この音源がアルバム化されたのが2006年4月12日。

収録時間は66分となっているが、高田渡の語りが半分近くを占めているだろう。つまり、このアルバムで渡の人柄を知ることができる。9曲目が終わったとき、息子の漣が渡に「いつもより調子いいね、今日は」と話すと、渡は「早く帰りたい」とつぶやくのだ。

1. 仕事さがし
2. 69
3. 魚つりブルース
4. アイスクリーム
5. コーヒーブルース
6. 流行ものには目がないわ
7. 値上げ
8. ごあいさつ
9. 鎮静剤
10. マリア・エレナ ~ ワイルドウッド・フラワー
11. 銭がなけりゃ
12. モアナ・チャイムズ
13. トンネルの唄
14. ブラザー軒
15. 生活の柄
16. 夕暮れ

高田渡 / 高田漣

公開録音 2003年3月27日 / NHK-FM 音楽番組『ライブビート』