Sonny Clark / Leapin' And Lopin'

ソニー・クラークは、ヘロインの過剰摂取により31歳で1963年1月13日に永眠。このアルバムは61年11月13日に録音。結果的に、彼にとっての最後のリーダーアルバムとなった(セッションに関しては、62年10月18日まで参加)。本作のリリースは62年5月なので、クラークの死後ではない。だが、なぜにジャケットをこんなにもクラーク(暗く)してしまったのか。タイトルLeapin' And Lopin'(飛んだり跳ねたり)とも不一致。1曲目Somethin' Specialはクラークの作品なので、これをタイトルにすべきだった。

そのスペシャルなものは、アイク・ケベックの参加。Deep In Dreamだけなので、ジャケットには名前の記載なし。一曲だけ参加した理由は、ケベックのWikipediaに「アルフレッド・ライオンはケベックの演奏をいつも気に入っていたが、表舞台から10年間消えた後、聴衆がどう反応するか分からなかった」とある。つまり、クラーク名義のアルバムにケベックをそっと参加させ、市場の反応を確かめようとしたのだ。そんなライオンの計画にもかかわらず、クラークが逝った3日後、63年1月16日にケベックは肺がんで死亡。享年44。飛んだり跳ねたりして、ついに二人とも旅立ってしまったのだ。

1. Somethin' Special
2. Deep In A Dream
3. Melody For C
4. Eric Walks
5. Voodoo
6. Midnight Mambo
7. Zellmar's Delight
8. Melody For C [alternate take]

Charlie Rouse - tenor saxophone (except track 2)
Ike Quebec - tenor saxophone (track 2)
Tommy Turrentine - trumpet (except track 2)
Sonny Clark - piano
Butch Warren - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on November 13, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Sonny Clark / Sonny Clark Trio [Time]

スイングジャーナル選定ゴールド・ディスク。本作をリリースしたレーベルTimeは、60年代半ばから活動を停止。そのため、廃盤状態にあった本作が再リリースされたので、ゴールド・ディスクに選定されたのだろう。全曲、ソニー・クラーク自身の作品で構成されていて、それぞれの曲を他のアルバムで聴く機会がないため地味に感じる。別の言い方をすれば「玄人好み」か。

LPのライナーノーツで、佐藤秀樹氏がクラーク本人のコメントを載せている。「このリズムセクションは豊富な経験を持っているし、望むままのことが直ぐに出来るんだ。ジョージは本当に見事なビートと立派なサウンドを持っているし、彼の使う音符は常に選び抜かれている。マックスはスイングする才能を別にしても、いつも文句ない演奏を見せる。彼はこのトリオを完全にしてくれた。2人はピアニストにとって理想のメンバーだ」。ならば、続編があるのではと思ったが、クラークのディスコグラフィーを調べたところ、このトリオでの演奏は本作のみであった。

1. Minor Meeting
2. Nica
3. Sonny's Crip
4. Blues Mambo
5. Blues Blue
6. Junka
7. My Conception
8. Sonia

Sonny Clark - piano
George Duvivier - bass
Max Roach - drums

Recorded on March 23, 1960 at Capitol Studios, NYC.

Sonny Clark / Cool Struttin'

長い通勤時間はiPhoneが手放せない。突っ込んだ16,000曲をシャッフルして聴きながらKindleで読書。先日、元岡一英(p)と橋本信二(g)のデュオによるBlue Minorが流れた。ソニー・クラークのアルバム『クール・ストラッティン』の2曲目でクラーク作。自宅よりもジャズ喫茶で聴いた回数のほうが多いかも知れない。ジャズ喫茶でのリクエストは、アルバムタイトルと、A面B面の選択(2枚組LPは極めて少なかった)。このリクエストは、ほぼ100%でA面。もし、Blue MinorをB面に配置していれば、70対30くらいになったのではないか。

所有するアルバムからBlue Minorの他の演奏を探したところ、意外と元岡一英のみであった。ジャズ・メッセンジャーズなどが演奏していれば、スタンダードになったのだろう。で、そもそも『クール・ストラッティン』は、アメリカではほとんど評価されず、Blue Minorをマイナーな曲のままにしてしまった。

1. Cool Struttin'
2. Blue Minor
3. Sippin' At Bell's
4. Deep Night
5. Royal Flash
6. Lover

Jackie McLean - alto saxophone
Art Farmer - trumpet
Sonny Clark - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on January 5, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.