Stanley Cowell / Brilliant Circles

CD帯から。「ジャズの伝統を踏まえながらも常に革新に挑み続け2020年12月に惜しくもこの世を去ったピアニスト、スタンリー・カウエルのダウンビート誌国際批評家新人賞を獲得した初リーダーアルバム!」。ちなみに、私の誕生日である12月17日に79歳で旅立っていった。

Wikipediaの批評によると「挑戦的なレパートリーは、高度なハードバップとアバンギャルドの中間で、才能ある参加メンバーが常にクリエイティブな演奏をしている」とある。確かにその通り。カウエルは黒子に徹している感じで、ヴァイブを含めたフロント陣を見事にコントロールしている。タイトル曲のみがカウエルの作品。それ以外は、フロント陣がそれぞれ持ち寄っていることも、その証拠だ。

1. Brilliant Circles
2. Earthly Heavens
3. Boo Ann's Grand
4. Bobby's Tune
5. Musical Prayers
6. Brilliant Circles [alternate take]

Woody Shaw - trumpet, maracas
Tyrone Washington - tenor saxophone, flute, clarinet, maracas, tambourine
Bobby Hutcherson - vibraphone
Stanley Cowell - piano
Reggie Workman - bass, electric bass
Joe Chambers - drums

Recorded on September 25, 1969 at Olmsted Sound Studios, NYC.

Stan Getz / Captain Marvel

チック・コリアの超定番アルバムReturn To Foreverが録音されたのが、1972年2月初め。その一ヶ月後、スタン・ゲッツ名義の本作が録音されている。どちらもニューヨークの同じスタジオ。5曲目のLush Lifeを除いてコリアの作品。そして、La FiestaとCrystal Silence(CDでのボーナストラック)が重複している。さらに、コリアのみならず、スタンリー・クラーク、アイアート・モレイラがどちらのアルバムにも参加。

ゲッツ名義でなければ、Return To Foreverの続編的な位置づけ。Return To Foreverのプロデューサーはマンフレート・アイヒャー。本作はゲッツ自身である。ゲッツとコリアは、どのような経緯(いきさつ)で本作を企画したのだろう。ゲッツはコリアの才能を借りたかった。コリアは売れるアルバムが欲しかった。72年6月、モレイラを除いたメンバーでモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演している。だが、72年中にReturn To Foreverはリリースされ、大きな注目を浴びた。で、コリアのディスコグラフィーによると、モントルーを最後にゲッツとの縁を切っている。「金の切れ目が縁の切れ目」的なアルバムなのだ。

1. La Fiesta
2. Five Hundred Miles High
3. Captain Marvel
4. Times Lie
5. Lush Life
6. Day Waves
7. Crystal Silence
8. Captain Marvel [alternate take]
9. Five Hundred Miles High [alternate take]

Stan Getz - tenor saxophone
Chick Corea - electric piano
Stanley Clarke - bass
Airto Moreira - percussion
Tony Williams - drums

Recorded on March 3, 1972 at A&R Studios, NYC.

Stan Getz / Sweet Rain

後藤雅洋氏著『一生モノのジャズ名盤500』では、本作をこう紹介している。「ジャズを聴き始めたばかりのころ、このアルバムが新譜で大ヒットした。〈中略〉ゲッツのソロはけっこう気合いが入っている。クール・テナーなどというキャッチコピーが空々しいほどの熱気。サイドのチック・コリアはこのアルバムで人気が出た」。本作のリリースは1967年7月。その頃、自分は小学校高学年。当然ながら、大ヒットしたことなんて知らないし、大学のジャズ研でジャズにどっぷり浸かるようになっても、仲間と話題になるようなことはなかった。

では、なぜに当時は大ヒットしたのだろう。もしかすると、コルトレーンの死と関係あるのかも知れない。巨大な柱を失った時、新風が吹き込んでジャズという音楽の幅広さを実感したのかも知れない。後藤氏の見解をぜひとも聞いてみたい。

1. Litha
2. O Grande Amor
3. Sweet Rain
4. Con Alma
5. Windows

Stan Getz - tenor saxophone
Chick Corea - piano
Ron Carter - bass
Grady Tate - drums

Tracks 1, 2 & 3
Recorded on March 21, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Tracks 4 & 5
Recorded on March 30, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.