鈴木勲 / Blow Up

学生の頃、所有のLPでよく聴いたアルバム。鈴木勲のベースはうまいなぁと感じていたが、心を揺さぶられる気持ちにはならなかった。ミンガスのような主張がないといったところか…。CDを購入し改めて聴き直したが、彼にのめり込まなかった理由が分かった。アルバムタイトル曲Blow Upは躍動感があってワクワクする。しかし、そこまで。インタープレイがあまりなく、曲の終り方も中途半端。ジャズに限らないが、テクニックだけでは本物になれない。

CDの帯にはこうあった。「最強メンバーによる好演奏、洗練されたジャケットデザイン、オーディオファンも認める高音質と三拍子揃った、TBMレーベルの代表作品かつ日本ジャズ史上の宝物。(塙耕記)」。このアルバムの本質を全く捉えていない。ジャケットは大事である。音質がいいに越したことはない。だが、ジャズを語る時の重要な要素にはなり得ない。自分で語った「好演奏」を分析しなければ、ジャズを語る資格なし。つまり、「好演奏」ではあるが「名演奏」ではないアルバムなのだ。

1. Aqua Marine
2. Everything Happens To me
3. Blow Up
4. Like It Is
5. I Can't Get Started
6. Low Flight

菅野邦彦 / Kunihiko Sugano - piano, electric piano
鈴木勲 / Isao Suzuki - bass, cello
水橋孝 / Takashi Mizuhashi - bass
ジョージ大塚 / George Otsuka - drums

Recorded on March 29 & 30, 1973 at Aoi Studio, Tokyo.