Red Garland / When There Are Grey Skies

アルバムのタイトルWhen There Are Grey Skies(灰色の空一面)という曲は収録されていない。ラスト曲My Blue Heaven(私の青空)と対になっているかと思ったが、この曲はCD化でボーナストラックとして追加されたもの。ジャケット写真の背景は灰色だが、空ではなく荒野の感じ。英文ライナーノーツでも、タイトルについては一切触れていない。レッド・ガーランドは、1962年10月に本作を録音して第一線を退いている。それがヒントのようだ。ディスコグラフィーによると、次の録音は71年5月。

CD帯から抜粋。「ニューヨークでの活動に区切りをつけ、故郷のダラスに戻る直前に吹込まれた名盤のひとつ。とりわけバラードで演奏される〈セント・ジェームス病院〉は、レッド・ガーランドの魅力がすべて網羅された一曲としてファンの間で愛聴されてきた」。しかしながら、ガーランドの状況を知れば、引退を決意した悲しみのバラードなのだ。つまり、ニューヨークでの生活は、もう「灰色」の世界だと表現したのだとも言える。ジャケットのガーランドの表情も、「もう決めたよ」と語っているようだ。

1. Sonny Boy
2. My Honey's Lovin' Arms
3. St. James Infirmary
4. I Ain't Got Nobody
5. Baby Won't You Please Come Home
6. Nobody Knows The Trouble I've Seen
7. My Blue Heaven

Red Garland - piano
Wendell Marshall - bass
Charlie Persip - drums

Recorded on October 9, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Red Garland / At The Prelude, Vol.1

レッド・ガーランドは1923年5月13日生まれで、84年4月23日に心臓病で死去。享年60。彼自身はジャズの変革者(イノベーター)ではなかったが、マイルスやコルトレーンなどのイノベーターを支えてきた重要なピアニストであったことは間違いない。

このアルバムが録音された59年には、マイルスがKind Of Blue、そして、コルトレーンはGiant Stepsを録音している。そんな大きなうねりの中で、ガーランドは彼らとの関わりを持ちながらも、こんなにリラックスできるライブアルバムを録音していたのだ。ボクサーの経歴を持つガーランドは、プレイヤーの立場でありながら、リスナーとしてもジャズが限りなく好きだったのだろう。カウンターを狙うのではなく、ただひたすらにボディーブローを打ち続けたピアニスト。

1. Satin Doll
2. Perdido
3. There Will Never Be Another You
4. Bye Bye Blackbird
5. Let Me See
6. Prelude Blues
7. Just Squeeze Me
8. One O'Clock Jump
9. Marie
10. Bohemian Blues
11. One O'Clock Jump [alternate take]
12. A Foggy Day
13. Mr. Wonderful

Red Garland - piano
Jimmy Rowser - bass
Charles "Specs" Wright - drums

Recorded on October 2, 1959 at The Prelude Club, NYC.

Red Garland / Dig It!

ジャケットにthe RED GARLAND quintet with JOHN COLTRANEと大きく記されているように、レッド・ガーランド名義のアルバムであるが、コルトレーンをフィーチャーしている。ドナルド・バードのトランペットもいい感じで炸裂。3つのセッション(1957年3月、12月、58年2月)によるアルバムで全4曲。コルトレーンは3曲、バードは2曲に参加。

最後のセッションから4年半後の62年8月にリリース。プロデューサーはBob Weinstock(ボブ・ウェインストック)。コルトレーンの勢いを借りて制作したのだろう。3曲目のCTAは、57年にリリース済みのアート・テイラーのアルバムTaylor's Wailersに収録された音源をそのまま借用。こちらも、プロデューサーはウェインストック。彼が2つの借り物でDig It!(掘り起こ)したアルバムなのだ。

1. Billie's Bounce
2. Crazy Rhythm
3. CTA
4. Lazy Mae

Tracks 1, 4
John Coltrane - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Red Garland - piano
George Joyner - bass
Art Taylor - drums
Recorded on December 13, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 2
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums
Recorded on February 2, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 3
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
George Joyner - bass
Art Taylor - drums
Recorded on March 22, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.