Ornette Coleman / Science Fiction

最近、このアルバムの存在を知った。コールマンのディスコグラフィーを詳細に調べたことがなかったので、縁が無かったのだろう。中古CDを見つけて、すぐに注文。入手後、立て続けに数回聴いた。3回のセッションで構成され、曲に応じてメンバーを入れ替えている。前作Friends and Neighborsの録音は1970年2月なので、約1年半かけて本アルバムの構想を練っていたのだろう。アルバム全体が、一つの組曲のようにも感じる。

全曲に参加しているのは、コールマンを除いてチャーリー・ヘイデンのみ。ヘイデンのベースに酔いしれるアルバムでもある。注目すべきはタイトル曲。David Hendersonによる詩の朗読と赤ん坊の泣き声?をフリー的な演奏にかぶせている。このHendersonという人物が何者なのか?そして、どういう詩の内容なのか?赤ん坊の泣き声の意味は?残念ながら、1997年12月付けでライナーノーツを担当した青木和富氏は何も語っていない。明らかに手抜きだ。

1. What Reason Could I Give?
2. Civilization Day
3. Street Woman
4. Science Fiction
5. Rock The Clock
6. All My Life
7. Law Years
8. The Jungle Is A Skyscraper

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet, violin
Don Cherry - pocket trumpet (tracks 2-4)
Bobby Bradford - trumpet (tracks 4,7,8)
Carmine Fornarotto - trumpet (tracks 1,6)
Gerard Schwarz - trumpet (tracks 1,6)
Dewey Redman - tenor saxophone, musette (tracks 1,4-8)
Charlie Haden - bass
Billy Higgins - drums (tracks 1-4,6)
Ed Blackwell - drums (tracks 1,4-8)
David Henderson - recitation (track 4)
Asha Puthli - vocals (tracks 1,6)

Tracks 2, 3, 7 & 8
Recorded on September 9, 1971 at Columbia Studio E, NYC.

Track 4
Recorded on September 10, 1971 at Columbia Studio E, NYC.

Tracks 1, 5 & 6
Recorded on October 13, 1971 at Columbia Studio E, NYC.

Ornette Coleman / Friends and Neighbors

このレコードは、1970年2月14日(土)の夜、プリンストン通り131番、オーネット・コールマンの練習場に、友人や近所の人を招いて催されたセッションの録音である。ファラオ・サンダースとレオン・トーマスの顔がみえる。名アレンジャー、ギル・エバンスもいる(以上、LPでの油井正一氏の解説から抜粋)。一方、CDのライナーノーツで、原田和典氏はこう書いている(2017年9月付け)。オリジナル・アナログ盤の内ジャケットにはギル・エバンスやファラオ・サンダースらしき人物を捉えた写真が掲載されているが、彼らが訪ねた時のライブと当アルバムに収められている演奏が同じ時のものであるかどうか定かでない。

この「定かではない」という表現は逃げている。「調べ尽くしたが特定できなかった」ならば納得がいく。同業者を招いてのセッションであれば、完成度の高い演奏を披露したいと考えるだろう。そうでなければ、一つのプロセスを示すだけでも十分である。で、中身はコールマン、ヘイデン、レッドマン、ブラックウェルの4人の息の合った見事な演奏。緊張感と、ある種のアットホーム的な感じがうかがえる。エバンスたちの視線があったからこその演奏だったと思いたい。

1. Friends And Neighbors - Vocal
2. Friends And Neighbors - Instrumental
3. Long Time No See
4. Let's Play
5. Forgotten Songs
6. Tomorrow

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet, violin
Dewey Redman - tenor saxophone, clarinet
Charlie Haden - bass
Ed Blackwell - drums
unknown - vocals

Recorded on February 14, 1970 at Prince Street, NYC.

Ornette Coleman / Love Call

アルバムNew York Is Now! Vol.1と同日の録音。かといって別テイク集ではない。さらに、Vol.2という位置づけでもない。New York Is Now!をVol.1としたのは、改めてVol.2用のセッションを考えていたらしいのだ。アルバムLove Callは1968年にリリースされているので、ブルーノートが録音テープを仕舞い込んでいた訳でもない。本来ならば、New York Is Now!を2枚組で出すべきだったのだ。

だが、コールマン・ファンは素晴らしいジャケットを手にすることができた。所有アルバムの中で、黒人女性をこんなにも躍動感のある形で表現したのは唯一かも知れない。もう、それだけ充分である。

1. Airborne
2. Check Out Time
3. Check Out Time [alternate take]
4. Open To The Public
5. Love Call
6. Love Call [alternate take]
7. Just For You

Ornette Coleman - alto saxophone, trumpet
Dewey Redman - tenor saxophone
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums

Tracks 1, 3, 4 & 6
Recorded on April 29, 1968 at A&R Studios, NYC.
Tracks 2, 5 & 7
Recorded on May 7, 1968 at A&R Studios, NYC.