Ornette Coleman / New York Is Now! Vol.1

コールマンとエルビンの最初で最後のセッション。そこに立ち会ったのは、ジミー・ギャリソンとデューイ・レッドマン。プロデューサーはFrancis Wolff(フランシス・ウルフ)。エルビンの起用は、コールマンの要望だったのか、それともウルフの提案だったのか。いずれにしても、二人のやりとりがアルバム全体の推進力。ギャリソンとレッドマンが二人に煽られ、ときに二人を煽る。全編コールマン・ミュージックではあるものの、「エルビン風味のコールマン・ミュージック」と言ったところだろうか。

3曲目はちょっとしたジョーク。コールマンのバイオリンを遮るように、ブルーノートの営業部長メル・ファーマンが演じるアナウンサーのコマーシャルが入る。なお、Vol.1とタイトルされているが、結局のところVol.2の録音には至らなかった。だが、このアルバムに収録されなかった同日の演奏がアルバムLove Callとしてリリースされたので、Vol.2 = Love Callということになる。

1. The Garden Of Souls
2. Toy Dance
3. We Now Interrupt For A Commercial
4. Broad Way Blues
5. Round Trip
6. Broad Way Blues [alternate take]

Ornette Coleman - alto saxophone (except track 3), violin (track 3)
Dewey Redman - tenor saxophone
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums
Mel Fuhrman - announce (track 3)

Tracks 1, 2, 3 & 6
Recorded on April 29, 1968 at A&R Studios, NYC.
Tracks 4 & 5
Recorded on May 7, 1968 at A&R Studios, NYC.

Ornette Coleman / The Empty Foxhole

チャーリー・ヘイデンは、このアルバムへの参加にどうして承諾したのだろう。ドラムは、オーネット・コールマンの息子デナード・コールマン。当時はまだ10歳。コールマンは36歳、ヘイデンは29歳。ピアノレスのトリオであれば、ベースの役割は非常に重要。司令塔はヘイデンであって、その指揮下にある10歳のデナードが曲想を理解して太鼓を叩けるはずがない。それは年齢の問題ではなく、経験、つまり場数の話。さらに、その二人を土台にしてコールマンが自由な発想でジャズを演じることができたのか。

で、ふと思った。タイトルのThe Empty Foxholeは、何かのことわざではないだろうかと。検索してみたが、まったくヒットせず。空っぽのキツネの穴・・・。キツネの生態を思い出した。巣穴を掘って子育てをし、子ギツネが成長すれば巣穴は放棄してしまうことを。コールマンは息子の成長を記念してアルバムに残そうとしたのだ。コールマンからそう頼まれたヘイデンは断れなかった。

1. Good Old Days
2. The Empty Foxhole
3. Sound Gravitation
4. Freeway Express
5. Faithful
6. Zig Zag

Ornette Coleman - alto saxophone (tracks 1,5,6), trumpet (tracks 2,4), violin (track 3)
Charlie Haden - bass
Denardo Coleman - drums

Recorded on September 9, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Ornette Coleman / Who's Crazy Vol.2

以下はVol.1の自分のレビューを要約。「1966年初頭にパリで録音、Who's Crazy?という映画のためのサウンド・トラック。この映画は1965年にベルギーで撮影。コールマンの代表作At The Golden Circle, Stockholmから数か月以内に録音され、メンバーも同様。演奏内容に関しては申し分ない。しかし、明確な録音データがない。なぜサウンド・トラックをVol.1とVol.2に分けてリリースしたのか分からない。一時的にCD化された模様だが、LPもCDも完全に廃盤状態である」。

コールマン、デヴィッド・アイゼンソン、チャールス・モフェットによる演奏を改めて聴くと、モフェットのドラムがコールマンのハートを揺さぶっているのが良く分かる。演奏の場面展開のシグナルは、モフェットのスティックから発せられているのだ。コールマンとしては、それが自分の呼吸とぴったり合うのでイマジネーションが次々と湧いてくる。そんな感じがする。

1. The Mis-Used Blues (The Lovers And The Alchemist)
2. The Poet
3. Wedding Day And Fuzz
4. Fuzz, Feast, Breakout, European Echoes, Alone And The Arrest

Ornette Coleman - alto saxophone, violin, trumpet
David Izenzon - bass
Charles Moffett - percussion

Recorded in Early1966 in Paris for the soundtrack of the film 'Who's Crazy?'