Oliver Nelson / Screamin' The Blues

タイトル通りブルース一色のアルバム。2曲目のMarch On, March On以外はオリバー・ネルソンの作品。それでも飽きが来ないのは、ネルソンの見事なアレンジとエリック・ドルフィーの参加。用意周到されたアレンジの中で、ネルソンを含めた各メンバーはアドリブを展開。しかし、ドルフィーだけは、そのアレンジを突き破るかのようなエッジを利かせる。

圧巻は最終曲Alto-Itis。ネルソンとドルフィーがそれぞれアルトサックスを持ち、まさしく一騎打ちなのだが、闘いは5分弱で終わってしまう。続きは翌年2月に録音された名盤『ブルースの真実』に持ち込まれた。

1. Screamin' The Blues
2. March On, March On
3. The Drive
4. The Meetin'
5. Three Seconds
6. Alto-Itis

Oliver Nelson - tenor saxophone, alto saxophone
Eric Dolphy - bass clarinet, alto saxophone
Richard Williams - trumpet
Richard Wyands - piano
George Duvivier - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on May 27, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Oliver Lake / Prophet

3曲 (tracks 1, 2 & 4) がエリック・ドルフィー作であり、残り3曲がオリバー・レイク作。そして、ドルフィー作のThe Prophetをアルバムタイトルにしている。ドルフィーが客死したのは1964年6月29日。それから16年後に、レイクはこのアルバムを録音。従って、もちろん追悼アルバムではない。LPでは、1983年11月付けで青木和富氏がライナーノーツを書いている。その一文。「むろんレイクは、ドルフィーの後継者であるとは厳密に言えないであろう。しかし、ドルフィーがあの時代にほのめかした何かを、70年代に見つけるとしたら、細い糸のようなものでつながっているのは、このレイクのような存在ではないか」。

このアルバムが録音された頃、すでに結成されレイクが参加していたWorld Saxophone Quartet (WSQ) のことには、青木氏は一切触れていない。レイクの音楽は、自身のリーダーアルバムとWSQのアルバムの2軸で捉える必要がある。レイクにとってドルフィーは大きな存在であると思うが、「細い糸」ではなく、時にはぐいぐい手繰り寄せ、時には一気に突き放すような、「釣り糸」的な位置づけではないだろうか。

1. Hat And Beard
2. Something Sweet, Something Tender
3. Poster
4. The Prophet
5. Cotton IV
6. Firm And Ripe

Oliver Lake - alto saxophone
Baikida Carrol - trumpet
Donald Smith - piano
Jerry Harris - electric bass
Pheeroan akLaff - drums

Recorded on August 11 & 12, 1980 at Sound Heights Studios, Brooklyn, NYC.

OLD AND NEW DREAMS / PLAYING

LPのライナーノーツでは、青木和富氏の解説は次のように始まる。「オールド・アンド・ニュー・ドリームスというグループは、そのタイトル通り、極めて意味深なグループだと思う。いうまでもなくこのグループは、ドン・チェリー、デューイ・レッドマン、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェルという、かつてオーネット・コールマン・グループのメンバー(必ずしも在団時期は一致しないが)によって結成されたグループであり、そこにはかなり濃密なかたちで、かつてのオーネット・コールマン・ミュージックが展開されている」。

所有するコールマンのアルバムを年代順に並べ、4人の参加状況を調べた。71年のScience Fictionと72年のBroken Shadowsで4人は勢揃いしている。そして、ファーストアルバムOLD AND NEW DREAMSの録音は1976年10月。このPLAYINGは、80年6月にライブでコールマン・ミュージックを実証。

1. Happy House
2. Mopti
3. New Dream
4. Rushour
5. Broken Shadows
6. Playing

Don Cherry - trumpet, piano
Dewey Redman - tenor saxophone, musette
Charlie Haden - bass
Ed Blackwell - drums

Recorded in June 1980 at Theater Am Kornmarkt, Bregenz, Austria.