Ornette Coleman / To Whom Who Keeps A Record

邦題『未知からの漂着』。アルバムChange Of Century(1959年10月録音)とThis Is Our Music(60年7月録音)に収録されなかった曲を集め、75年に日本のみで発売。所有するCDは国内盤で、ジャケット裏には各収録曲に日本語を付与している。全てコールマンの作品で、収録順に次のようになっている。

「音楽は常に、何かよいものをもたらす、我々の、すべてに、誰かが、他の、動機を持たない限り」。何かを暗示していることは明らかだが、アウトテイク集であることを考えると、コールマンに断りなくレコード会社が勝手に曲名を付けたような気がしてならない。まぁ、それは良いとして、50年代から60年代にかけてのコールマン・ミュージックを素直に楽しむアルバムである。

1. Music Always
2. Brings Goodness
3. To Us
4. All
5. P.S. Unless One Has (Blues Connotation No.2)
6. Some Other
7. Motive For Its Use

Ornette Coleman - alto saxophone
Don Cherry - pocket trumpet
Charlie Haden - bass
Billy Higgins - drums (track 1)
Ed Blackwell - drums (tracks 2-7)

Track 1
Recorded on October 8, 1959 at the Hillcrest Club, Los Angeles.

Track 5
Recorded on July 19, 1960 in NYC.

Tracks 2, 3, 4, 6 & 7
Recorded on July 26, 1960 in NYC.

Ornette Coleman / Change Of The Century

CDのジャケットにはThe Complete Sessionと書かれている。これは、1959年10月のセッションからLPには収録されなかった2曲Music AlwaysとCrossroadsが加わったことを意味している。さらに、ボーナストラックスとして、58年10月から11月にかけてのライブ演奏3曲が追加されている。このライブでは、ピアノのポール・ブレイが参加。コールマンのライブ録音の最も初期のものだ。この3曲を59年10月のセッションで再演。つまり、本アルバムの下地は、1年前にすでにあったということになる。

ファーストアルバムSomething Else!!!!と、ここに収められたライブ演奏以降、限られたわずかなセッションを除いて、コールマンはピアノを入れることはなかった。確かに、ライブの3曲を聴くと、コールマン・ミュージックにピアノは不要だ。

1. Ramblin'
2. Free
3. The Face Of The Bass
4. Forerunner
5. Bird Food
6. Una Muy Bonita
7. Change Of The Century
8. Music Always
9. Crossroads [aka "A Circle with a Hole in the Middle"]
10. Free [live version]
11. Ramblin' [live version]
12. Crossroads [aka "A Circle with a Hole in the Middle" - live version]

Ornette Coleman - alto saxophone
Don Cherry - pocket trumpet
Charlie Haden - bass
Billy Higgins - drums
Paul Bley - piano (tracks 10-12)

Tracks 1 - 9
Recorded on October 8 & 9, 1959 in NYC.

Tracks 10 - 12
Recorded in October-November, 1958 at the Hillcrest Club, Los Angeles.

Ornette Coleman / The Shape Of Jazz To Come

邦題『ジャズ来るべきもの』。1959年5月録音。今更ながら思うが大胆なタイトル。オーネット・コールマン自身が、このタイトルを付けたとは到底思えない。彼は自分がやりたかった音楽をやったに過ぎないはずだ。LPのライナーノーツでは、「完全な名盤ならぬ名盤としてジャズ史に残るべき不朽の問題作である」と粟村政昭氏が意味不明な形で締め括っている。「完全な名盤ならぬ名盤=不完全な名盤」とは?「不朽の問題作=駄作」ということか?リリース直後の文章なら分からなくはないが、10年以上経ってから書いている。

ジャズの歴史をむやみに引きずってきた評論家こそが「不朽の問題」。遠回しな表現で自分の逃げ道を作るのは「不完全な評論家」。本作はコールマンの自信に満ち溢れた「不朽の名盤」である。60年代に入る直前、フロント2管、そしてピアノレスで録音に臨んだコールマン。前作Tomorrow Is The Question!に続いて、自己表現に徹したコールマン。一曲目のLonely Womanこそが、このアルバムの全てを語っている。「艶歌」。コブシはないけれど、情念のアルトサックス。

1. Lonely Woman
2. Eventually
3. Peace
4. Focus On Sanity
5. Congeniality
6. Chronology
7. Monk And Then Nun
8. Just For You

Ornette Coleman - alto saxophone
Don Cherry - cornet
Charlie Haden - bass
Billy Higgins - drums

Recorded on May 22, 1959 in Los Angeles, CA.