Oliver Nelson / Straight Ahead

エリック・ドルフィーのアルバムを追いかけていた時期があった。40年以上前、社会人になった頃。20枚に満たないドルフィーのリーダーアルバムは、それほど時間をかけずに揃えることができた。次は、リーダーでなく参加アルバム。コルトレーンとミンガスのアルバムは所有し聴き込んでいたので、それ以外となると、そう多くはない。その中の一枚。間違いなく、オリバー・ネルソンのリーダーアルバムではあるものの、聴き終わって脳裏に残るのは、ドルフィーのアルト、バスクラ、フルートの音色。

ジャケットには明確にwith ERIC DOLPHYと記載されているので、ネルソンとしても狙い通りだったのかも知れない。ネルソンの水平振幅、ドルフィーの垂直振幅。それぞれのアドリブがぶつかることなく交差して展開されていく。まさしくStraight Ahead。ひたむきな二人の演奏に酔いしれるのだ。ところで、本作録音の1週間前、1961年2月22日、ドルフィーはアビー・リンカーンのセッションに参加し、そのアルバムは本作と同名のStraight Aheadとなった。それぞれのタイトル曲Straight Aheadは、ネルソン、ならびにリンカーン自身による作品である。真っ正面を向いていたジャズの時代。

1. Images
2. Six And Four
3. Mama Lou
4. Ralph's New Blues
5. Straight Ahead
6. 111-44

Oliver Nelson - alto saxophone (tracks 1-3,5,6), tenor saxophone (tracks 3,4), clarinet (track 4)
Eric Dolphy - alto saxophone (tracks 2,3,5), bass clarinet (tracks 1,4,6), flute (track 3)
Richard Wyands - piano
George Duvivier - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on March 1, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Oliver Nelson / The Blues And The Abstract Truth

油井正一氏のLPライナーノーツから抜粋。「ブルースの真実(本アルバムの邦題)は、12小節ブルースベッタリのアルバムではない。ブルースを核として、パーカー以降のジャズの発展段階のすべてが(このあと60年代を支配することになったフリージャズの要素までもが)盛りこまれた総決算になっているところが重要なのである」。

こう書かれてしまったら、自分は何も書くことがない。少しだけ補足させてもらうならば、ジャズをある程度聴き込んだ人にしか、このアルバムの価値は分からないということだ。なぜなら、油井氏が述べているように「総決算」なのだから。つまり、ある期間の決着を付けることと言い換えれば、年代を追って聴くことが必要となる。決着を付けたメンバーが凄い。

CDのジャケットはLPと異なる・・・と思ったが、CDとLP、国内盤と輸入盤に関係なく、2種類のジャケットがあることが判明。何故、こんなことになってしまったのか。ジャケットに関しては、決着が付いていない。

1. Stolen Moments
2. Hoe-Down
3. Cascades
4. Yearnin'
5. Butch And Butch
6. Teenie's Blues

Oliver Nelson - alto saxophone, tenor saxophone
Eric Dolphy - flute, alto saxophone
George Barrow - baritone saxophone
Freddie Hubbard - trumpet
Bill Evans - piano
Paul Chambers - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on February 23, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Oliver Nelson / Screamin' The Blues

タイトル通りブルース一色のアルバム。2曲目のMarch On, March On以外はオリバー・ネルソンの作品。それでも飽きが来ないのは、ネルソンの見事なアレンジとエリック・ドルフィーの参加。用意周到されたアレンジの中で、ネルソンを含めた各メンバーはアドリブを展開。しかし、ドルフィーだけは、そのアレンジを突き破るかのようなエッジを利かせる。

圧巻は最終曲Alto-Itis。ネルソンとドルフィーがそれぞれアルトサックスを持ち、まさしく一騎打ちなのだが、闘いは5分弱で終わってしまう。続きは翌年2月に録音された名盤『ブルースの真実』に持ち込まれた。

1. Screamin' The Blues
2. March On, March On
3. The Drive
4. The Meetin'
5. Three Seconds
6. Alto-Itis

Oliver Nelson - tenor saxophone, alto saxophone
Eric Dolphy - bass clarinet, alto saxophone
Richard Williams - trumpet
Richard Wyands - piano
George Duvivier - bass
Roy Haynes - drums

Recorded on May 27, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.