Modern Jazz Quartet / Lonely Woman

2015年6月12日、オーネット・コールマンが亡くなった翌日、四谷のジャズ喫茶『いーぐる』へ駆け込んだ。平日の昼間である。開店と同時に店内に流れたのが、このアルバム。コールマンではなく、コールマン作Lonely Womanをアルバムタイトルにしたモダン・ジャズ・カルテットであった。何とも言えない演出。ジャズ喫茶のマスターとは、ある意味で演出家なのだと感心し納得した。この後から、コールマンのアルバムが次々と流れていった。つまり、コールマンへの追悼という意味で、選ばれたアルバム。

コールマンが「淋しい女」とタイトルした曲のイメージは、MJQのジャケットとして引き継がれた。この曲が収録された所有する5枚のアルバムを録音順に並べると以下のようになる。MJQというか、ジョン・ルイスが、コールマンの音楽性に理解を示していたことがうかがえるのだ。

・1959 - オーネット・コールマン / The Shape Of Jazz To Come
・1962 - モダン・ジャズ・カルテット / Lonely Woman
・1965 - デニー・ザイトリン / Live At The Trident
・1974 - レスター・ボウイ / Fast Last!
・1988 - チャーリー・ヘイデン / The Private Collection

1. Lonely Woman
2. Animal Dance
3. New York 19
4. Belkis
5. Why Are You Blue
6. Fugato
7. Lamb, Leopard (If I Were Eve)
8. Trieste

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Recorded on January 24, 25 & 29 and February 2, 1962 in NYC.

Modern Jazz Quartet / The Last Concert

名演奏であることは間違いないが、名盤かと聞かれると答えに困る。そもそもジャズは、変革していかなければならない音楽。留まってしまった瞬間にその価値を失う。なので、「ラスト・コンサート」という感覚が不思議でならない。普通ならば、メンバーの方向性などが変わり、自然消滅か空中分解するのが、それこそ自然なのだ。自分達はやるだけのことをやったから、集大成としての解散コンサートをやる。もうこれはジャズではない。スコアをなぞる行為ではないだろうか。

しかも、このコンサートの7年後の1981年10月に武道館で再会。アルバムMJQ Reunion At Budokan 1981まで作ってしまった。その後、年に1枚のペースでアルバムをリリース。長年愛されたグループであるが、最後は呆れられたグループでもある。

Disc 1
1. Softly, As In A Morning Sunrise
2. The Cylinder
3. Summertime
4. Really True Blues
5. What's New?
6. Blues In A Minor
7. Confirmation
8. 'Round Midnight
9. A Night In Tunisia
10. Tears From The Children
11. Blues In H (B)
12. England's Carol

Disc 2
1. The Golden Striker
2. One Never Knows
3. Trav'lin'
4. Skating In Central Park
5. The Legendary Profile
6. Concierto De Aranjuez
7. The Jasmin Tree
8. In Memoriam
9. Django
10. Bags' Groove

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Recorded on November 25, 1974 at Avery Fisher Hall, NYC.

Modern Jazz Quartet / European Concert

MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)は室内音楽と評されることが多いが、このアルバムを聴くと、むしろライブで力を発揮するグループだったのではないだろうか。スタジオでの録音に比べて、テンポが良く観客も見事に反応している。

MJQの傑作アルバムの一つである。問題はタイトル。ライブ録音は、スウェーデンでの3日間で、ストックホルムとヨーテボリの2都市。なぜに、ヨーロピアン・コンサートとアバウトにしてしまったのか。ジャケットの配色もフランス国旗をイメージしている感じ。客席からは割れんばかりの拍手が起きるが、スウェーデン人には心から愛されていないアルバムかもしれない。

1. Django
2. Bluesology
3. I Should Care
4. La Ronde
5. I Remember Clifford
6. Festival Sketch
7. Vendome
8. Odds Against Tomorrow
9. Pyramid (Blues for Junior)
10. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
11. Skating In Central Park
12. The Cylinder
13. 'Round Midnight
14. Bags' Groove
15. I'll Remember April

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Tracks 1 - 4, 8 & 11
Recorded on April 12, 1960 in Goteborg, Sweden.

Tracks 5, 6, 9, 12 & 14
Recorded on April 11, 1960 in Stockholm, Sweden.

Tracks 7, 10 & 13
Recorded on April 13, 1960 in Stockholm, Sweden.