Modern Jazz Quartet / Concorde

見事に完成されたアルバム。つまり、アルバムのコンセプトをジョン・ルイスが作れば、ミルト・ジャクソンはそれを完璧に応じるということだ。ミルトは自分の演奏に酔い、ジョンは編曲とグループサウンドに酔いしれている。そして、本作からドラムはケニー・クラークに代わってコニー・ケイになった。

2008年2月付けのライナーノーツでアイラ・ギトラーが興味深いエピソードを紹介している(訳:小川隆夫氏)。コニーの発言。「ジョン・ルイスがすべてのアレンジをてがけていた。わたしの分も含めて、全員のパートを書いていたんだ。彼がトライアングル、チャイム、あるいはフィンガー・シンバルなどの音が必要と思えば、そのことを譜面に書き込んでくる」。アイラは「ケニーがMJQを去った理由はそこにあった。ジョンが彼のためにドラムスのパートまで書いてくることに我慢できなかったのだ」と指摘している。MJQは室内楽とよく言われるが、正確には譜面楽ということ。それを楽しむかは聴き手の判断。

1. Ralph's New Blues
2. All Of You
3. I'll Remember April
4. Gershwin Medley:
- Soon
- For You, For Mw, Forevermore
- Love Walked In
- Our Love Is Here To Stay
5. Softly, As In A Morning Sunrise
6. Concorde

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Tracks 1, 2, 4, 5 & 6
Recorded on July 2, 1955 at at Nola's Penthouse Studio, NYC.
Track 3
Recorded in late July or early August at at Nola's Penthouse Studio, NYC.

Modern Jazz Quartet / Django

ギタリストDjango Reinhardt(ジャンゴ・ラインハルト)は、1953年5月16日に43歳で他界。翌54年12月、MJQはジョン・ルイス作のDjangoを録音。その後、準スタンダード曲となった。ジョー・パス、レイ・ブライアント、ソニー・ロリンズなどが本曲を録音している。「準」というのは、MJQによる演奏の印象が強すぎるためだ。

このアルバム『ジャンゴ』は都会的であり洗練されていて、予定調和の世界。つまり、どこにもケチをつけようがないアルバム。完成されたアルバムと言えるのだが、聴くたびに新しい発見がある訳ではない。

1. Django
2. One Bass Hit
3. La Ronde Suite
4. The Queen's Fancy
5. Delauney's Dilemma
6. Autumn In New York
7. But Not For Me
8. Milano

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums

Tracks 1, 2 & 8
Recorded on December 23, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 3
Recorded on January 9, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 4 - 7
Recorded on June 25, 1953 in NYC.

Modern Jazz Quartet / Modern Jazz Quartet

モダン・ジャズ・カルテットと名乗る前の録音。彼らの正式なディスコグラフィーを見ると、1952年12月22日からMJQは始まっている。このアルバムは、3つのセッションから構成。はじめの2つのセッションは、MJQのオリジナルメンバーではなく、9曲目の「朝日のようにさわやかに」のセッションからオリジナルになる。

ところが、安価な中古CDを見つけたので購入したところ、曲順がバラバラ。LPの時は、A面とB面でバランスを取るために、やむなくセッションを無視して配置することがよくあった。CD化で曲順を入れ替えた意図が全く分からない。さらにジャケット裏。パーシー・ヒースとケニー・クラークはスーツから普段着に。クラークの表情もジャケット表と若干異なる。で、ネットで調べたところ、ジャケット裏がオリジナルだったようだ。MJQと名乗ってから再発した時に、カラーに塗られ、二人はスーツ姿に。SAVOYレーベルらしい、いい加減さがここに発揮。

1. Milt Meets Sid / CD track 4
2. D & E / 6
3. Yesterdays / 10
4. Between The Devil And The Deep Blue Sea / 12
5. Autumn Breeze / 3
6. Moving Nicely / 5
7. 'Round Midnight / 11
8. Bluesology / 9
9. Softly, As In A Morning Sunrise / 1
10. Love Me Pretty Baby / 2
11. Heart And Soul / 7
12. True Blues / 8

Tracks 1 - 4
Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Ray Brown - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on August 24, 1951.

Tracks 5 - 8
Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Al Jones - drums
Recorded on September 18, 1951.

Tracks 9 - 12
Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded in April 1952.