Miles Davis / Live In Saint Louis

このライブアルバムには、録音データに関して2つの説がある。1つは1956年7月14日と21日の録音でラジオ局KXLW-AMでのオンエアー。もう1つは57年2月16日と23日の録音でラジオ局KSTL-AMでのオンエアー。マイルスのディスコグラフィーは前者を採用。マイルス自叙伝①には、「56年初春から秋の終わりまで、ずっと〈カフェ・ボヘミア〉で、超満員の客を前に演奏した」とあるので、後者が正しいのかも知れない。さらに、本アルバムの英文ライナーノーツにはこうある。「ライブの司会者バークスは、56年7月11日にKXLW-AMを解雇され、1956年8月にKSTL-AMに雇われた」とある。

いずれにしても、ラジオチェックによる最悪な音源。ジャケットは白が基調となっているが、録音は真っ黒け。それでも、ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド・ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズという面子ならば許される。ドラムは響かない、ベースは鳴らない。ピアノはかき消されている。コルトレーンの姿が見えてこない。演奏曲はどれもマイルスの十八番。どういう訳かMCの声だけは、しっかりと録音されているのだ。

1. Introduction
2. Ah-Leu-Cha
3. A Foggy Day
4. All Of You
5. Woody'n You
6. Walkin'
7. Sign Off / The Theme
8. Two Bass Hit
9. Well, You Needn't
10. Billy Boy
11. All Of You
12. Oleo
13. Announcement / Airegin / into The Theme

Miles Davis - trumpet (except tracks 3,10)
John Coltrane - tenor saxophone (except tracks 3,10)
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums
Jesse "Spider" Burks - MC

Recorded on February 16 (tracks 1-7) & 23 (tracks 8-13) 1957 at Peacock Alley, Saint Louis, Missouri.

Miles Davis / Steamin'

マイルスの「ing」4部作は、1956年5月11日と10月26日のマラソン・セッションを収録したアルバム。リリース順では次のようになる。Cookin'(57年7月)、Relaxin'(58年3月)、Workin'(60年1月)、Steamin'(61年7月もしくは8月)。プレスティッジは、コロンビアに移籍したマイルスの人気に乗じて、小出しに発売したことになる。

アルバムSketches Of Spainは60年7月、Someday My Prince Will Comeは61年12月にリリースされている。従って、Steamin'はこの2つのアルバムの隙間に世に出た訳である。今でこそ、4部作とかマラソン・セッションなる言葉を使うが、全てが明らかになったのは、録音から5年後のこと。当時、マイルスファン、ジャズファンが本作に飛びついたのかは定かでない。

1. Surrey With The Fringe On Top
2. Salt Peanuts
3. Something I Dreamed Last Night
4. Diane
5. Well, You Needn't
6. When I Fall In Love

Miles Davis - trumpet
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Tracks 1 - 4 & 6
Recorded on May 11, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 5
Recorded on October 26, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Miles Davis / Workin'

注目すべき曲はマイルス作のFour。このアルバムの後、マイルスはライブで何度か演奏している。その中での極めつきは、1964年2月12日録音のアルバムFour & More。ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスというバック陣が強力で、非常にスピード感がある。テナーはジョージ・コールマン。

ディスコグラフィーでFourを確認していたら、アルバムComplete Live At Plugged Nickelに収められていることを発見。バックはFour & Moreと同様で、テナーはウェイン・ショーター。Plugged NickelはVol.1とVol.2を所有しているが、Fourを聴くためだけでComplete盤を購入はできない。そもそも通常盤に漏れたということは、演奏がイマイチだったのか、録音が悪かったのか・・・と思いたい。ちなみに、アルバムBlue HazeにもFourというマイルス作の曲があるが、全く異なる曲想である。

以下のアルバムでも見事なFourを聴くことができる。
・Sonny Rollins / A Night At The Village Vanguard Vol.1 - 1957
・Phineas Newborn, Jr. / A World Of Piano! - 1961
・Tete Montoliu / Secret Love - 1977
・Keith Jarrett / My Foolish Heart - 2001

1. It Never Entered My Mind
2. Four
3. In Your Own Sweet Way
4. The Theme [take 1]
5. Trane's Blues
6. Ahmad's Blues
7. Half Nelson
8. The Theme [take 2]

Miles Davis - trumpet
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass, cello
Philly Joe Jones - drums

Tracks 1 - 6 & 8
Recorded on May 11, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 7
Recorded on October 26, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.