Miles Davis / Miles And Monk At Newport

中古輸入盤LPをかつて所有していた。A面がマイルスで、B面がモンクのニュポート・ジャズ・フェスティバルでの演奏。しかしである。マイルスは1958年、モンクは63年の演奏なのだ。メンバーも全く違う。今だったら、こんなアルバムは見向きもされないだろう。

日本のフォークが台頭してきた頃、A面は高田渡、B面は五つの赤い風船というアルバムがあった(CDを所有)。それぞれが1枚分LPの曲が揃わず、それでも世に送り出すために作られたと理解している。録音データは以下の通り。このアルバムのそれぞれの代表曲は「自衛隊に入ろうと」と「遠い世界に」。
・高田渡 / 1968年11月13日
・五つの赤い風船 / 1968年11月13日, 68年11月26日, 69年1月3日

今考えれば微笑ましい限り。それに比べて、このアルバム。すでにジャズ界をリードしていたマイルスとモンクである。どうしてこのアルバムが創られたのかは未だに疑問。CD化されても購入しないと決めていたのだが、何と2枚組CDで発売され、ライブステージの全貌が明らかになった。そうなれば買うしかない。モンクのステージでは、クラリネットの大御所Pee Wee Russell(ピー・ウィー・ラッセル)が2曲でゲスト出演している。

Disc 1
1. Introduction By Willis Conover
2. Ah-Leu-Cha
3. Straight, No Chaser
4. Fran-Dance
5. Two Bass Hit
6. Bye Bye Blackbird
7. The Theme

Disc 2
1. Introduction By Willis Conover
2. Criss-Cross
3. Light Blue
4. Nutty
5. Blue Monk
6. Epistrophy

Disc 1
Miles Davis - trumpet
John Coltrane - tenor saxophone
Cannonball Adderley - alto saxophone
Bill Evans - piano
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums
Recorded on July 3, 1958 at Newport Jazz Festival, Newport, RI.

Disc 2
Charlie Rouse - tenor saxophone
Pee Wee Russell - clarinet (tracks 4,5)
Thelonious Monk - piano
Butch Warren - bass
Frankie Dunlop - drums
Recorded on July 4, 1963 at Newport Jazz Festival, Newport, RI.

Miles Davis / 1958 Miles

タイトルから1958年の複数のセッションを寄せ集めたアルバムのように思えてしまう。しかしながら、全5曲中の4曲は、58年5月26日のセッションによるもの。なので、May 1958 Milesとすべきだった。この頃、マイルスはジャズの持つ可能性に飢えていた。コード進行による調和からモードによる緊張感への移行の時期。1年後の59年3月、ここでの同じメンバーでモードアルバムKind Of Blueの録音に臨んだ訳である。

日本で編集された本アルバムは、池田満寿夫のジャケットデザインが常に話題となるが、いまだに左に書かれたサインが読み取れない。赤の背景にあるのはSomethingだろうが、白の背景には何と書いてあるのか。ジャケット裏の英文解説はM.Okazaki(岡崎正通氏?)で、ざっと読んでみたが、サインのヒントは見つからなかった。さらに、Cover Design: Akio Nimbariの記述があったが、そこからの手掛かりもなし。

1. On Green Dolphin Street
2. Fran-Dance
3. Stella By Starlight
4. Love For Sale
5. Little Melonae

Miles Davis - trumpet
John Coltrane - tenor saxophone
Cannonball Adderley - alto saxophone (tracks 1,2,4)
Bill Evans - piano (tracks 1-4)
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums (tracks 1-4)
Red Garland - piano (track 5)
Philly Joe Jones - drums (track 5)

Tracks 1, 2, 3 & 4
Recorded on May 26, 1958 at Columbia 30th Street Studios, NYC.

Track 5
Recorded on October 26, 1955 at Columbia Studios, Studio D, NYC.

Miles Davis / Milestones

本作の録音データは2種類ある。マイルスのディスコグラフィーと所有する輸入盤CDでは、1958年2月4日と3月4日の録音となっており、国内盤LPでは4月2日と3日と記載されている。以下はマイルス自叙伝①からの抜粋。アルバムSomethin' Elseの録音は1958年3月9日なので、マイルスの指摘通り4月が正しいようだ。そして、マイルスがピアノを弾いた理由は、レッド・ガーランドとの言い争いにあったことが分かった。

「ニューヨークに帰ると、ブルーノートと契約したキャノンボールのレコーディングが待っていた。奴がオレにも加わって欲しいと言うから、友情として付き合った。〈サムシン・エルス〉というレコードで、なかなか良かった。オレも自分のバンドでコロンビアにレコーディングしようと、四月にスタジオに入った。〈中略〉何かをレッドに説明しようとしているうちに、奴が怒って帰ってしまったから、〈シッズ・アヘッド〉ではオレがピアノを弾いた。オレは、このレコードでバンドのサウンドが大いに気に入って、何か特別なことができたと確信した。〈中略〉〈マイルストーンズ〉が、モード手法で本格的に作曲しはじめた最初のレコードになった」。

1. Dr. Jackle
2. Sid's Ahead
3. Two Bass Hit
4. Milestones
5. Billy Boy
6. Straight, No Chaser

Miles Davis - trumpet, piano (track 2)
John Coltrane - tenor saxophone
Cannonball Adderley - alto saxophone
Red Garland - piano (except track 2)
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Recorded on April 2 (tracks 3-6) and 3 (tracks 1,2), 1958 at Columbia 30th Street Studio, NYC.