Michel Petrucciani / Power Of Three

モントルー・ジャズ・フェスティバルでの、このメンバーによるライブ演奏はどのように企画されたのだろうか。ミッシェル・ペトルチアーニとジム・ホールによるピアノ&ギターのデュオがベースにあって、ウェイン・ショーターが3曲に加わっている。ところが、その3曲は1,3,7曲目にある。ショーターが、舞台を出たり入ったりするはずはない。モントルーは、過去の演奏をしっかりとデータベースに残していて、当日の演奏順は以下の通り。

1. Beautiful Love / 2. In A Sentimental Mood / 3. Careful / 4. New Waltz / 5. Limbo / 6. Morning Blues / 7. S. R. O.

初めの4曲がデュオ、その後の3曲にショーターが加わっている。曲名はNew WaltzがWaltz Newに、S. R. O.がBiminiにアルバムでは変更。曲名の変更は良しとしても、何故にライブ演奏の順番をアルバムではシャッフルしたのか。貴重なライブ演奏なのに、ブルーノートのいやらしさを感じてしまうアルバム。

1. Limbo
2. Careful
3. Morning Blues
4. Waltz New
5. Beautiful Love
6. In A Sentimental Mood
7. Bimini

Michel Petrucciani - piano
Jim Hall - guitar
Wayne Shorter - tenor saxophone (tracks 1 & 7), soprano saxophone (track 3)

Recorded on July 14, 1986 at the Montreux Jazz Festival.

Michel Petrucciani / Pianism

どの曲も完璧な演奏で、アルバムの価値を高めている。ところがどうも、抑えの曲がなくて聴きどころが見えてこない。どれも味わい深いのだが、アルバムを聴き終わった瞬間に残るものがないのだ。なので、結局のところ失敗作。ペトルチアーニではなく。プロデューサーの責任。

スタンダード曲を組み入れているが新鮮さは見いだせず、ペトルチアーニだったら、もっと冒険できたはず。名演奏は必ずしも名盤にはならず。ジャズプレイヤーを生かすも殺すもプロデューサーの腕次第。そんなことを実感してしまうアルバム。

1. The Prayer
2. Our Tune
3. Face's Face
4. Night And Day
5. Here's That Rainy Day
6. Regina

Michel Petrucciani - piano
Palle Danielsson - bass
Eliot Zigmund - drums

Recorded on December 20, 1985 at RCA Studio "C".

Michel Petrucciani / Cold Blues

ニューヨークの凍える1月、ミシェル・ペトルチアーニのピアノとロン・マクルーアのベースによるデュオが深々とジャズを語る。決してインタープレイというような駆け引きではなく、寄り添うような音作り。あくまでも主役はピアノ。ベースの存在によって、ピアノがより輝きを増す。それに重厚感を加えた形での選曲とアレンジ。コンセプトはまさしくColdなのだ。

1980年代半ば、ジャズが新たな方向性を模索していた時代。モノクロのジャケットが、このアルバムの重さをさらに表現している。輸入盤CDのジャケットには録音データしか記載されておらず、解説などは一切ない。やはりColdである。ちなみに、所有するアルバムの中で、マクルーアが参加しているのは、チャールス・ロイドのLove-Inとウィントン・ケリーのFull Viewのみで、どちらも1967年録音。ベーシストとしては地味な存在であるが、ジャズ歴は長い。

1. Beautiful But Why?
2. Autumn Leaves
3. Something Like This
4. There Will Never Be Another You
5. I Just Say Hello!
6. Cold Blues

Michel Petrucciani - piano
Ron McClure - bass

Recorded on January 11, 1985 at Classic Sound Productions Studio, NYC.