The L.A.Four / Going Home

紛れもなく譜面ジャズ。その譜面を作ったのはギタリストであるローリンド・アルメイダ。ダイレクト・カッティングで録音された。きちんとした譜面があれば、曲の長さに狂いはほとんど生じない。ゆえにダイレクト・カッティングは、さほどの冒険ではない。安心ジャズ。

それでも、このLPは何度もターンテーブルの上に乗った。大学のジャズ研でウッドベースを弾いていた頃。レイ・ブラウンのベースラインが非常に参考になったのだ。ギターは入っているが、ピアノが入っていないので、ベースラインを捉えやすい。しかも、ドラムがうるさくない。教則本的アルバム。すでにウッドベースは手放してしまものの、LPはノイズだらけになり改めてCDを購入。やはり、ベースに耳が傾く。

1. Going Home
2. Softly, As In A Morning Sunrise
3. Greensleeves
4. Things Ain't What They Us To Be
5. Recipe Of Love
6. Romance De Amor
7. Django

Bud Shank - alto saxophone, flute, alto flute
Laurindo Almeida - guitar
Ray Brown - bass
Shelly Manne - drums

Recorded on September 29 & 30, 1977 at Warner Brothers Recording Studios, CA.

The L.A.Four / Pavane Pour Une Infante Défunte

邦題は『亡き王女のためのパヴァーヌ』。ラヴェル作のタイトル曲は、そう翻訳されてきたので、このアルバムのために考えられた邦題ではない。問題は「パヴァーヌ」なのだが、その意味を調べたところ、「16世紀から17世紀にかけてヨーロッパの宮廷で普及していた舞踏」とのこと。さらには、「孔雀の尻尾」を示していることが分かった。ようやく、ジャケットの図柄に辿り着いた。

CD帯から。「74年に結成されたバド・シャンク、ローリンド・アルメイダら西海岸の名手4人によるグループの大人気作。陽光がふりそそぐような明るい室内楽的サウンドが、ラヴェルのタイトル曲や枯葉などの名曲を鮮やかに料理」。ジャズの世界で「室内楽」と言えば、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)がまず浮かぶ。ところがである。この「室内楽」は「パヴァーヌ」より難しい。

「少人数の独奏楽器による合奏音楽。弦楽四重奏・ピアノ三重奏など多くの形態がある。元来は教会・音楽会場以外の宮廷の一室などで演奏された音楽をさし、声楽の入ることもあった」。というのが、「室内楽」の一つの定義。ということは、コンボ形態によるジャズって、全てが室内楽になってしまうのだ。なので、「ジャズでの室内楽は?」と問われたら「MJQやThe L.A.Fourみたいな演奏だよ」と答えるしかない。

1. Pavane Pour Une Infante Défunte
2. Autumn Leaves
3. Ces't What
4. Corcovado
5. Wave
6. Reveil
7. Samba De Orfeu

Bud Shank - alto saxophone, flute
Laurindo Almeida - guitar
Ray Brown - bass
Shelly Manne - drums

Recorded on October 15 & 16, 1976 at Warner Brothers Recording Studios, CA.